スーパーカー専業メーカーとして独自の立ち位置を築いてきたマクラーレンが、ついにSUVという新たなカテゴリーへ足を踏み入れようとしています。
しかし、現時点でマクラーレンは市販モデルのデザインを公開しておらず、公式ティザーやデザインスケッチすら明らかになっていません。
そんななかAutoblogが公開したのが、現在のマクラーレンが持つデザイン要素を組み合わせ、AIによって制作した「マクラーレンSUV」の予想レンダリングです。
もちろん実車を示すものではありませんが、その姿は単純に既存のSUVへマクラーレンのエンブレムを取り付けたものではなく、最新のブランドデザインをSUVへ落とし込んだらどうなるのかを想像させる、非常に興味深いものとなっています。
SUVになっても一目でマクラーレンと分かるデザイン

今回の予想レンダリングで特に印象的なのは、SUVでありながら一般的な大型クロスオーバーのような重厚感を前面に押し出していないことです。
ルーフはかなり低く抑えられ、ボディ全体も前後方向へ伸びやかに見せることで、SUVというより「車高を上げたマクラーレンGT」と表現したくなるプロポーションに仕上げられています。
そしてフロントを見ると、薄くシャープなライトや滑らかなボディ表面によって、近年のマクラーレンが目指している新しいデザインの方向性が強く意識されています。
Autoblogによれば、このレンダリングで大きなヒントとなったのがMcL 6GTで、同車が示したスリムなライティングや滑らかなエアロダイナミクス、よりクリーンになった造形をSUVへ応用しています。
そのためボディサイズが大きくなっても、マクラーレンらしい「空気を切り裂くような形」が失われていない点が、この予想デザインの面白さといえるでしょう。
Arturaや750Sを思わせる空力処理

サイドへ目を移すと、さらにマクラーレンらしさが強くなります。
大きく彫り込まれたエアチャンネルやカーボンファイバーを思わせる大型サイドシルなどには、Arturaや750Sと共通する考え方が見られ、大柄なSUVのボディを視覚的に軽く見せることにも成功しています。
SUVはボディが大きくなるほど側面が単調になりやすく、特にスーパーカーメーカーがSUVをデザインする場合、ブランド特有の低くワイドなプロポーションとの両立が難しくなります。
しかし今回のレンダリングでは、ボディ側面を大きく削り取ったような造形によって視線を前後へ流しており、SUV特有のボリューム感を残しながらも、マクラーレンのミッドシップモデルを連想させる軽快さを生み出しています。
もし市販モデルでもこの考え方が採用されれば、Lamborghini UrusやFerrari Purosangueとも異なる、かなり個性的なパフォーマンスSUVになるかもしれません。
リアには新世代マクラーレンの姿

リアデザインも今回の予想レンダリングにおける見どころです。
テールランプにはMcL 6GTから着想を得たデザインが取り入れられ、テールゲート中央には新しい「McLAREN」のワードマークが配置されています。
さらにフロントでは従来型のバッジではなく、マクラーレンを象徴するSpeedmarkのみを配置しており、ブランドが進めている新しいビジュアルアイデンティティまで反映されています。
つまり今回のレンダリングは、単に「750SをSUVにしてみた」というものではありません。
これからのマクラーレンが採用すると考えられるデザイン言語を使って、未来のSUVを想像しているところに大きな意味があります。
実車はさらに「マッスルカー」のような姿になる可能性も
一方、実際に開発されているとされるSUVは、今回のレンダリングとは少し違った姿になる可能性があります。
マクラーレン初のSUVは「P47」というコードネームで開発されていると報じられており、ディーラー関係者から伝えられた情報では、4ドア・5人乗りで、Porsche Cayenne Turbo GTに近いシルエットを持ちながら、それよりも大きなボディになるとされています。
さらに24インチという巨大なホイールを装着し、一般的な高級SUVというより「マッスルスーパーカー」のような存在感を持つとも伝えられています。
過去の報道では、スプリットタイプのヘッドライトやルーフを走る空力的な「スパイン」、大型リアディフューザーやウイングなど、かなり積極的なエアロデザインが採用されるとの情報もありました。
今回の予想レンダリングは非常に流麗ですが、実際のP47はこれよりさらに攻撃的で、レーシングカーに近い雰囲気を持つSUVになる可能性もありそうです。
マクラーレンが作ればSUVもスーパーカーになるのか
マクラーレンにとってSUVへの参入は、単純にラインアップへ1台追加するという話ではありません。
これまで同社は軽量化や空力性能、ミッドシップレイアウトといった要素を軸にロードカーを作り続けてきました。そのブランドが、大型ボディと実用性を求められるSUVをどのように「マクラーレン」に仕立てるのかは非常に興味深いところです。
今回のAutoblogによる予想レンダリングを見る限り、その答えのひとつは「SUVらしくしすぎないこと」なのかもしれません。
低いルーフ、空力を意識したボディサイド、巨大なエアチャンネル、そして最新世代のマクラーレンデザインを組み合わせれば、SUVでありながらスーパーカーの延長線上にあるクルマを作ることはできそうです。
実際のP47がこの姿に近づくのか、それともまったく異なるデザインで登場するのかはまだ分かりません。
ただ、Ferrari PurosangueやLamborghini Urusが高性能SUVの常識を大きく変えた現在、そこへマクラーレンがどのような答えを持ち込むのか。その実車が姿を現すまで、こうした予想レンダリングを眺めながら想像を膨らませる時間も楽しみのひとつになりそうです。
※記事内で紹介した車両画像はAutoblogがAIを用いて制作した予想レンダリングであり、マクラーレンが公開した公式デザインではありません。
参考・出典:Autoblog / McLaren




