マクラーレンArtura、2028年に生産終了か。登場からわずか数年で姿を消す可能性

マクラーレン初の量産プラグインハイブリッド・スーパーカーとして登場した「Artura(アルトゥーラ)」が、予想よりも早くその役目を終える可能性が浮上しました。

海外メディアの報道によると、マクラーレンはArturaの生産を2028年に終了する計画だといいます。

2020年に発表され、マクラーレンの次世代を担うモデルとして期待されたArturaですが、実際に市場へ投入されてからそれほど長い時間は経っていません。

なぜマクラーレンはArturaを早期に終了させようとしているのでしょうか。

背景には販売台数だけでなく、マクラーレンというブランドそのものが迎えている大きな転換期がありそうです。

目次

マクラーレンArturaが2028年に生産終了か

Automotive Newsが関係者の話として報じたところによると、マクラーレンはArturaを2028年に生産終了する見込みです。

ただし、現時点でマクラーレンから正式にArturaの生産終了が発表されたわけではありません。

同社の広報担当者も、将来の商品計画についてコメントを控えています。

そのため現段階では「2028年終了が確定した」というより、マクラーレン内部の商品計画に基づく情報として捉える必要があります。

それでも事実であれば、Arturaにとってかなり短いモデルライフとなります。

Arturaはマクラーレンにとって重要なモデルだった

Arturaは単なる新型スーパーカーではありません。

マクラーレンにとって、次世代への移行を象徴する重要なモデルでした。

項目McLaren Artura
パワートレイン3.0L V6ツインターボ+電気モーター
システムプラグインハイブリッド
最高出力690hp(2026年米国仕様)
最大トルク531lb-ft(約720Nm)
トランスミッション8速SSG
駆動方式後輪駆動
0-100km/h約3.0秒
最高速度約330km/h
ボディ構造カーボンファイバー・モノコック
ボディタイプCoupe / Spider

従来のマクラーレンではV8ツインターボエンジンが中心でしたが、Arturaでは新開発の3.0L V6ツインターボに電気モーターを組み合わせました。

さらに、新しいカーボンファイバー構造「McLaren Carbon Lightweight Architecture」を採用。

つまりArturaは、エンジン、ハイブリッドシステム、車体構造のすべてで新世代へ移行するためのモデルだったのです。

デビューのタイミングにも恵まれなかった

Arturaの歴史を振り返ると、決して順風満帆だったとは言えません。

Arturaが発表されたのは2020年。

ちょうど新型コロナウイルスの影響によって世界の自動車産業が大混乱していた時期と重なりました。

半導体不足やサプライチェーンの混乱によって生産計画にも影響が発生し、米国で本格的にユーザーへ届けられるようになったのは2023年でした。

そのため発表時期だけを見るとすでに数年が経過していますが、実際に市場で販売されてきた期間はそれほど長くありません。

米国では2026年に販売が減少

今回の生産終了報道の背景として注目されているのが販売台数です。

報道によると、米国では2025年に510台のArturaが登録されました。

これは前年から約15%増加した数字でした。

しかし2026年前半には流れが変わります。

登録台数は205台となり、前年同期比で約18%減少したとされています。

もちろんマクラーレンのような少量生産メーカーでは、一般的な量産メーカーと同じ基準で販売台数を評価することはできません。

それでもArturaがブランドの中心を担うモデルとして期待されていたことを考えると、無視できない数字でしょう。

Artura終了の背景にはマクラーレンの大改革

そして今回のニュースで最も重要なのは、Arturaだけを見るのではなく、マクラーレン全体の商品戦略を見ることです。

現在のマクラーレンは、従来の「2シーター・ミッドシップスーパーカー中心」というラインナップから大きく変わろうとしています。

報道では、2028年まで毎年少なくとも1台の新型車を投入する計画が販売店側に示されたとされています。

その中でも注目されているのが「P34」と呼ばれる新型スーパーカーです。

2027年には約810馬力の「P34」が登場か

P34は2027年の登場が噂されている新型ミッドシップ・スーパーカーです。

Arturaと同じくV6+ハイブリッドという構成になるとされていますが、最高出力は約810hpまで引き上げられると報じられています。

さらにP34では、従来のマクラーレン以上に「ラグジュアリー」が重視される可能性があります。

アニリンレザーやナッパレザーなどを使用した上質なインテリアを採用し、デザインには伝説的な「McLaren F1」を思わせる要素も取り入れられるといいます。

単純な速さだけではなく、高級車としての価値をさらに高めようとしていることが分かります。

さらに2028年にはマクラーレン初のSUVも?

さらに大きな変化となりそうなのが「P47」です。

P47はマクラーレン初のSUVになるとされているモデルで、2028年の登場が噂されています。

5人乗りで、ポルシェ・カイエン ターボGTよりも大きなボディを持ちながら、クーペのようなスタイリングになるとされています。

これが実現すれば、マクラーレンの歴史において極めて大きな転換点となります。

フェラーリにはPurosangue、ランボルギーニにはUrus、アストンマーティンにはDBXがあります。

これまで2シーターのスーパーカーを中心としてきたマクラーレンも、ついに同じ市場へ参入する可能性が高まっています。

2+2の新型グランドツアラーも計画

さらに現在のGTSを置き換える、新しいグランドツアラーも計画されていると報じられています。

こちらはフロントエンジンの「セダンのようなGT」とされ、2+2レイアウトを採用する可能性があります。

これまでのマクラーレンといえば、

「軽量なカーボンボディ」

「ミッドシップ」

「2シーター」

「圧倒的なドライビング性能」

というイメージが非常に強いブランドでした。

しかし今後は、実用性や快適性、ラグジュアリー性を求めるユーザーにも対象を広げていくことになりそうです。

Arturaは「失敗作」ではなく転換点になるかもしれない

Arturaが2028年で生産終了すると聞くと、「販売不振によって短命に終わったモデル」という印象を持つかもしれません。

しかしArturaがマクラーレンにもたらした技術的な意味は決して小さくありません。

新しいカーボンファイバー・アーキテクチャ、新開発V6エンジン、電動化技術。

Arturaで導入されたさまざまな技術は、これから登場する次世代マクラーレンへつながっていく可能性があります。

そして2027年のP34、2028年のP47、さらに2+2グランドツアラーへとラインナップが拡大していけば、Arturaは「新世代マクラーレンの第一歩だったモデル」として振り返られることになるかもしれません。

まとめ

マクラーレンArturaが2028年に生産終了するとの報道が出ています。

正式発表ではないものの、米国では2026年前半に登録台数が前年同期比で減少しており、その一方でマクラーレンは新しい商品ラインナップの構築を急速に進めています。

2027年には約810hpとされるV6ハイブリッドの「P34」、2028年にはブランド初のSUVと噂される「P47」、さらに2+2のグランドツアラーも計画されているといいます。

Arturaの早期終了が事実となれば、それは単なる一車種の生産終了ではなく、マクラーレンが従来のスーパーカーメーカーから、より幅広いラグジュアリー・パフォーマンスブランドへ変わっていく象徴的な出来事なのかもしれません。

参考・出典:Autoblog

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この記事を書いた人

メルセデス・ベンツ正規ディーラーを中心に、自動車業界で10年以上の経験を持つ筆者。販売現場で培った経験をもとに、高級車・新型車を中心とした自動車情報を独自の視点で発信しています。

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