DefenderのClassic部門が新たに展開する「Defender Works V8 Conversion」は、すでに所有している旧型ディフェンダーをメーカー公式の手によってV8仕様へと生まれ変わらせるプログラムです。
対象となる車両には自然吸気5.0リッターV8エンジンが搭載され、最高出力は405PS。単純なエンジンスワップにとどまらず、トランスミッションやサスペンション、ブレーキ、シャシーまで包括的にアップグレードされます。
旧型ディフェンダーに405馬力の5.0リッターV8

今回のWorks V8 Conversionで最大の注目ポイントは、もちろんエンジンです。
搭載されるのはランドローバー製の5.0リッター自然吸気V8ガソリンエンジンで、最高出力405PS、最大トルク515Nmを発生します。
組み合わされるトランスミッションは8速ZFオートマチックです。
クラシックなディフェンダーのボディに大排気量の自然吸気V8という、現代ではかなり贅沢な組み合わせが実現します。
Defender Works V8 Conversion 主なスペック
| 項目 | スペック |
|---|---|
| エンジン | 5.0リッター V8自然吸気ガソリン |
| 最高出力 | 405PS |
| 最大トルク | 515Nm |
| トランスミッション | ZF製8速AT |
| 対象モデル | Defender 90 / 110 |
| 対象年式 | 2012〜2016年 |
| 標準ホイール | 16インチ |
| フロントブレーキ | 335mm ベンチレーテッドディスク |
| リアブレーキ | 300mmディスク |
| キャリパー | Alcon製4ピストン(前後) |
単純にパワーだけを追求するのではなく、旧型ディフェンダーらしいキャラクターを残しながら、現代でも楽しめる走行性能へ仕上げることが狙いです。
V8を載せるだけではない
405PSまでパワーアップする以上、当然ながら足回りもそのままというわけにはいきません。
Works V8 ConversionではBilstein製ダンパーとEibach製コイルスプリングを採用し、アンチロールバーやリンク、ブッシュ類についてもアップグレードされます。
さらにブレーキにはAlcon製4ピストンキャリパーを前後に装着。フロントには335mmのベンチレーテッドディスク、リアには300mmディスクが組み合わされます。
パワートレインだけではなく、走る・曲がる・止まるという基本性能をまとめて引き上げる内容です。
自分のディフェンダーを「Works V8」にできる
これまでLand Rover Classicは、旧型ディフェンダーをベースとした「Classic Defender V8」などを展開してきました。
しかし今回大きく異なるのは、オーナー自身が所有している車両を持ち込み、Works V8へコンバートできることです。
対象となるのは2012〜2016年に生産されたDefender L316の90および110です。
作業前にはClassic部門のスペシャリストによる車両チェックが行われ、コンバージョンへの適合性を確認。その後、英国またはドイツのClassic Works施設で専門スタッフによる作業が行われます。
つまり一般的なチューニングショップによるV8スワップではなく、ディフェンダーを生み出したメーカー自身による公式コンバージョンなのです。
トランスミッショントンネルまで作り直す本格仕様
V8エンジンと8速ATを搭載するため、車内にも手が加えられます。
トランスミッショントンネルは新たに設計され、シフトセレクターなども変更。さらに専用の「Works V8」バッジが与えられ、メーカー公式モデルに近い完成度へ仕上げられます。
標準では16インチスチールホイールが装着されますが、18インチアルミホイールもオプションとして用意されます。
見た目を大きく現代化するのではなく、クラシック・ディフェンダーの雰囲気を残しているところも魅力でしょう。
2007〜2016年モデルにはアップグレードパーツも用意
今回発表されたのはV8コンバージョンだけではありません。
Defender Classic部門は2007〜2016年に生産されたDefender 90および110向けに、新しいアップグレードプログラムもスタートさせています。
16インチスチールホイールや18インチアルミホイールのほか、Bilstein製ダンパー、Eibach製スプリング、Alcon製ブレーキなどが用意されます。
V8への換装までは必要ないというオーナーでも、純正クオリティを維持しながら走行性能をアップデートできるというわけです。
なお、通常のアップグレードプログラムは2007〜2016年のPumaディーゼル搭載車が対象ですが、Works V8 Conversionについては2012〜2016年モデルに限定されています。
「古いクルマをメーカー自身が進化させる」という新しい価値
旧型ディフェンダーは、最新SUVと比較すれば快適性や走行性能で不利な部分があります。
しかし、その不便さを含めた独特のデザインや機械的なフィーリングこそが、多くのファンを惹きつけてきました。
今回のWorks V8 Conversionが興味深いのは、そうした個性を消して新しいクルマへ作り変えるのではなく、オリジナルの魅力を残しながらメーカー自身が性能を引き上げている点です。
しかも5.0リッター自然吸気V8と8速AT、BilsteinとEibachによる足回り、Alcon製ブレーキという組み合わせはかなり本格的です。
最新のDefenderとはまったく異なる方向性ですが、「クラシックな外観と現代的な走り」を求めるユーザーにとって非常に魅力的な選択肢になりそうです。
価格については一律に設定されておらず、車両の状態や仕様などを確認したうえで個別に決定されます。
旧型ディフェンダーを新車へ乗り換えるのではなく、長年所有してきた一台をメーカー自身の手で405PSのV8モデルへ進化させる。
クラシックカーの価値が高まり続ける現在だからこそ成立する、非常に贅沢なプログラムと言えそうです。
参考・出典:Motor1 / JLR / Land Rover Classic




