米国フロリダ州マイアミで、車両価格300万ドル(約4億5,000万円)を超えるブガッティ・シロンが事故に遭い、大きな損傷を受けたことが明らかになりました。
世界限定500台という希少性に加え、最高出力1,500PSを誇るシロンは、自動車史に残るハイパーカーのひとつです。しかし、今回の事故では右側のサスペンション周辺が深刻な損傷を受けており、修理には莫大な費用が必要になる可能性があります。
一体どのような事故だったのでしょうか。現場で確認された損傷状況とともに、一般的なスーパーカーとは比較にならないブガッティの修理事情を詳しく見ていきます。
マイアミの一般道で事故、右側の足回りが大きく損傷
事故が発生したのは、米国フロリダ州のマイアミ・デイド郡です。
2026年10月中旬に海外で報じられた情報によると、黒いボディカラーのブガッティ・シロンが道路脇で停止している様子が撮影され、SNS上で注目を集めました。
公開された映像や写真では、車両右側のホイールとサスペンション周辺に深刻な損傷が確認でき、特に右後輪は正常な位置を維持できない状態になっているようです。
現場の状況から、右側のタイヤが縁石に強く衝突した可能性が指摘されていますが、事故発生時の速度や具体的な原因については明らかになっていません。
また、運転していた人物の身元も公表されておらず、乗員については重大な負傷を免れた可能性があるものの、正式な負傷状況は確認されていません。
かつてメキシコのコレクターが所有していた個体か

今回事故に遭ったシロンには、興味深い過去がある可能性も浮上しています。
海外の報道によると、この車両は以前、メキシコのスーパーカーコレクター「Don Huayra」が所有していた個体と同一である可能性があり、当時はメキシコシティのタクシーをイメージしたピンクとホワイトの特徴的なラッピングが施されていたといいます。
その後、車両は売却されて米国へ渡ったとされていますが、今回の事故車との同一性については正式に確認されたものではありません。
仮に同じ個体であれば、特徴的な外観で知られたコレクターズカーが、現在はブラックのボディで走行していたことになります。
最高出力1,500PS、世界限定500台のブガッティ・シロン

ブガッティ・シロンは、ヴェイロンの後継モデルとして2016年に登場したハイパーカーです。
最大の特徴は、8.0リッターW型16気筒エンジンに4基のターボチャージャーを組み合わせた圧倒的なパワートレインであり、最高出力1,500PS、最大トルク1,600Nmという性能を実現しました。
| 項目 | ブガッティ・シロン |
|---|---|
| エンジン | 8.0L W16クワッドターボ |
| 最高出力 | 1,500PS |
| 最大トルク | 1,600Nm |
| トランスミッション | 7速DCT |
| 駆動方式 | 4WD |
| 0-100km/h加速 | 約2.4秒 |
| 最高速度 | 420km/h(制限時) |
| 生産台数 | 500台(シロンシリーズ) |
| 当初の車両価格 | 約300万ドル(約4億5,000万円) |
※日本円換算は1ドル=150円の参考レートです。数値は標準的なシロンを基準としています。
シロンは単純に速いだけの自動車ではなく、400km/hを超える速度域でも安定性や快適性を確保するため、車体構造から冷却システム、空力設計に至るまで専用開発されています。
その高度な設計こそが、今回のような事故で修理費を押し上げる大きな要因にもなっています。
修理費は数千万円規模に達する可能性も
今回の事故で特に懸念されるのが、足回りだけでは済まない可能性のある損傷です。
シロンのサスペンションは超高速走行を前提に設計された精密な構造を持ち、衝突によってアームやダンパー、ホイールの取り付け部分まで影響が及んでいる場合、関連部品の交換や車体側の詳細な検査が必要になります。
さらに、シロンは車体側面にも冷却系統を配置しているため、衝撃の伝わり方によってはラジエーターやブレーキ配管などが損傷している可能性もあります。
外装についても、カーボンファイバー製の専用部品を多用していることから、一般的な乗用車のように比較的安価な交換部品を調達することは容易ではありません。
ブガッティのような希少車では、純正部品の供給や専門技術者による作業、車体の精密な調整などが必要になるため、修理内容によっては数千万円規模、あるいはそれ以上の費用に達しても不思議ではないでしょう。
ただし、現時点で今回の事故車について正式な修理見積額は公表されておらず、具体的な金額を断定することはできません。
事故車でも簡単には廃車にならない理由

一般的な乗用車であれば、修理費が車両価値を上回ると経済的全損と判断されるケースがあります。
しかし、シロンのように数億円の価値を持つ希少車では、その判断基準も大きく異なります。
仮に修理費が数千万円に達したとしても、車両そのものの市場価値が極めて高ければ、修復する経済的な合理性が残る可能性があるためです。
一方で、シロンはカーボンモノコックを採用しており、主要構造部分に深刻な損傷が及んでいた場合は、単純な部品交換だけでは安全性を回復できないことも考えられます。
また、修理によって走行可能な状態に戻ったとしても、事故歴が将来のコレクターズカーとしての評価に影響する可能性があります。
今回の車両については、現場の映像から直ちに全損と判断できる状況ではないものの、最終的に修理されるのか、あるいは別の形で処分されるのかは明らかになっていません。
ハイパーカーの価値は購入価格だけでは測れない
今回の事故は、ブガッティ・シロンの圧倒的な価値と、その維持に伴う責任の大きさを改めて浮き彫りにしました。
1,500PSという出力や420km/hという最高速度は、現代の自動車技術が到達した極めて高い水準を示しています。しかし、どれほど高度な制御システムや強力なブレーキを備えていても、一般道で発生するあらゆる危険を回避できるわけではありません。
特にシロンのような超高額車両では、比較的小さく見える事故であっても、その経済的な影響は通常の自動車とは桁違いになることがあります。
世界でわずか500台しか生産されなかったシロンだけに、今回損傷した個体が再び本来の姿を取り戻せるのか、今後の動向にも注目が集まりそうです。
参考・出典:Autoblog / The Supercar Blog / Totalcar




