BMW「i3 M60」登場へ|M Performance初の電動3シリーズ、463hpのi3 50を超える高性能EVに

BMWは、新世代の電動3シリーズ「i3」に高性能モデルとなる「i3 M60 xDrive」を追加することを明らかにしました。

2027年にラインアップへ加わる予定のi3 M60は、単にi3の出力を引き上げたモデルではなく、BMW M Performanceの思想を電動3シリーズへ本格的に持ち込む重要な一台となります。

現時点でBMWは最高出力や0-100km/h加速といった詳細な性能を公表していませんが、すでに標準ラインアップの上位モデル「i3 50 xDrive」が463hp(約469PS)を発生していることを考えると、i3 M60がどこまで性能を引き上げてくるのか注目されます。

目次

BMW i3に「M60」が追加、電動3シリーズの頂点へ

新型BMW i3は、BMWの次世代車両コンセプト「Neue Klasse(ノイエ・クラッセ)」を採用した、3シリーズ初の本格的な電気自動車です。

そのラインアップにはi3 40 xDriveとi3 50 xDriveが用意されますが、BMWはさらに2027年、高性能なM Performanceモデルとして「i3 M60 xDrive」を追加します。

i3 M60には前後2基の電気モーターによる四輪駆動システムが採用され、BMWが「Gen6 M eDrive」と呼ぶ技術を搭載します。

ただし、BMWは現段階で最高出力、最大トルク、加速性能などを明らかにしていません。

これは逆に考えれば、すでに十分に高性能なi3 50 xDriveとの差別化をどのように図るのかという興味深い余白を残しているともいえるでしょう。

ベースのi3 50ですでに約469PS

i3 M60の性能を考えるうえで重要なのが、その下に位置するi3 50 xDriveです。

項目BMW i3 50 xDrive
駆動方式デュアルモーターAWD
最高出力約469PS
最大トルク約645Nm
0-60mph加速4.5秒
最大航続距離最大約912km(WLTP・仕様により異なる)
DC急速充電最大400kW
電気システム800V

i3 50 xDriveだけでも約469PSを発生し、0-60mph(約96km/h)加速は4.5秒に達します。

さらにNeue Klasseの第6世代eDriveでは800Vアーキテクチャを採用し、最大400kWという非常に高いDC急速充電性能も実現しています。

つまりi3 M60は、この時点ですでに高性能EVと呼べるi3 50をさらに上回らなければならないモデルです。

単純な最高出力だけではなく、アクセルレスポンスや前後トルク配分、回生ブレーキ、シャシー制御まで含めて、M Performanceらしいドライビング体験をどこまで作り込めるのかが重要になりそうです。

「Heart of Joy」が走りを統合制御

Neue Klasseを語るうえで欠かせないのが、BMWが「Heart of Joy」と呼ぶ新しい制御システムです。

従来は複数のECUが担当していた駆動、ブレーキ、回生、ステアリングの一部などを高性能な中央演算ユニットで統合制御し、BMWによれば従来システムの最大10倍という高速な処理を可能にしています。

EVではモーターが極めて短時間でトルクを変化させられるため、その能力をシャシー側の制御と組み合わせることで、内燃機関車とは異なる方法で車両姿勢を作ることができます。

i3 M60では、このHeart of JoyとM専用のチューニングを組み合わせることで、単に「直線が速いEV」ではないBMWらしいスポーツセダンを目指すことになるでしょう。

本命は「完全なM」、i3 M60はその前哨戦か

ここで注意しておきたいのは、i3 M60が「BMW M3の電動版」そのものではないという点です。

M60はあくまでM Performanceに属するモデルであり、現在のM340iやM Performance系EVと同じように、通常モデルとフルMモデルの間を埋める位置付けになります。

そのため、将来的に登場するとみられる本格的な電動Mモデルとは明確に役割が異なります。

一方で、i3 M60はNeue Klasse世代の電動スポーツセダンにMの技術を本格投入する最初期のモデルとなるため、今後の電動M3につながる技術や思想を垣間見られる一台になる可能性があります。

航続距離だけではなく「走らせて楽しいEV」へ

近年の高性能EVでは、最高出力が600PS、700PS、さらには1,000PSを超えること自体が珍しくなくなりました。

そのため、i3 M60の価値を最高出力だけで判断するのは少し違うかもしれません。

BMWがNeue Klasseで強調しているのは、航続距離や充電性能だけではなく、ドライバーの操作と車両制御をより自然につなげることです。

3シリーズは1975年の登場以来、BMWを象徴するスポーツセダンとして50年以上の歴史を積み重ね、累計販売台数は1,800万台を超えています。その中心的なモデルを電動化する以上、BMWにとってi3は単なるEVの追加ではありません。

そして、そのi3に「M60」という名前が与えられる意味は決して小さくないでしょう。

2027年登場、詳細スペックは今後発表へ

BMW i3 M60 xDriveは2027年にラインアップへ追加される予定ですが、最高出力や最大トルク、加速性能、航続距離などの詳細はまだ公表されていません。

ただ、約469PSを発生するi3 50 xDriveより上位に位置し、Gen6 M eDriveとデュアルモーターAWDを採用することは明らかになっています。

Neue Klasseによって大きく姿を変えた3シリーズに、M Performanceがどのような「駆けぬける歓び」を与えるのか。

EVの性能競争が単純な最高出力の数字から、制御技術やドライビングフィールへと移りつつあるなか、i3 M60はBMWが考える次世代スポーツセダンの方向性を示す重要なモデルになりそうです。

参考・出典:Motor1 / BMW Group

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

メルセデス・ベンツ正規ディーラーを中心に、自動車業界で10年以上の経験を持つ筆者。販売現場で培った経験をもとに、高級車・新型車を中心とした自動車情報を独自の視点で発信しています。

目次