イタリアの名門自動車メーカー、アルファロメオが、かつての人気モデル「ジュリエッタ」の復活に向けて開発を進めています。
2020年に生産を終了したジュリエッタですが、次世代モデルは従来のコンパクトハッチバックとは大きく異なる姿になる見通しです。2026年のパリモーターショーで明らかになったブランドの将来計画によると、新型はSUVの実用性とハッチバックのスポーティさを融合したクロスオーバーとして登場する可能性があります。
さらに、ガソリンエンジンを活用したハイブリッド車と電気自動車(EV)の両方が想定されており、電動化と走る楽しさの両立を目指すアルファロメオにとって、重要なモデルになりそうです。
新型ジュリエッタは従来のハッチバックから大きく変化
アルファロメオのサント・フィチーリCEOは、2026年のパリモーターショーにおいて、今後の新型車投入計画について説明しました。
その中で明らかになったのが、Cセグメントに新たなモデルを投入する計画です。社内では「ジュリエッタ」と呼ばれているものの、現時点では正式な車名として確定しているわけではありません。
従来のジュリエッタは、低い車高と流麗なボディラインを特徴とする5ドアハッチバックでした。しかし、次世代モデルでは市場のニーズに合わせて車高を高め、乗降性や室内空間を改善する方向に進むとみられています。
ただし、一般的なSUVほど背の高いモデルにはならず、ハッチバックの軽快さを残したスポーティなクロスオーバーになる見通しです。
これは、単に流行のSUVへ転換するというよりも、従来のジュリエッタが持っていた運転の楽しさを維持しながら、現代のユーザーが求める実用性を取り込むための進化と考えられます。
デザインは新コンセプト「クオーレロッソ」がヒントに
新型ジュリエッタのデザインを考えるうえで重要なのが、アルファロメオが発表したコンセプトカー「Cuorerosso(クオーレロッソ)」です。

クオーレロッソは、ブランドの伝統的なデザイン要素を現代的に再解釈したモデルであり、低く構えたボディや彫刻的な造形、ドライバーを中心に据えたインテリアが特徴となっています。
新型ジュリエッタは、このコンセプトカーのデザイン思想を取り入れるとみられていますが、実際の市販モデルはより背が高く、実用的なプロポーションになる見込みです。
また、2003年に発表されたコンセプトカー「カマル(Kamal)」との共通点も注目されています。
カマルは当時としては先進的なクロスオーバーSUVで、全長約4,350mm、全高約1,620mmというボディサイズを持っていました。新型ジュリエッタの正式な寸法は明らかになっていないものの、こうしたコンパクトなクロスオーバーの考え方が参考になる可能性があります。
アルファロメオらしい情熱的なデザインを維持しながら、日常で使いやすいパッケージングを実現できるかが、新型モデルの大きな見どころになりそうです。
ガソリンエンジンも存続へ ハイブリッドとEVを展開か
新型ジュリエッタで特に注目したいのが、パワートレインの選択肢です。
現在の計画では、ステランティスが開発する複数の動力方式に対応したプラットフォームを採用し、内燃機関を使用するモデルと電気自動車の両方を展開することが想定されています。
新世代アーキテクチャ「STLA One」に由来する技術の採用が報じられており、ガソリンエンジンと電動モーターを組み合わせたハイブリッドに加えて、完全電動モデルも設定される可能性があります。
現時点で予想される構成は次のとおりです。
| 項目 | 新型ジュリエッタの見通し |
|---|---|
| 車両カテゴリー | Cセグメント・クロスオーバー |
| ボディ形式 | 5ドアハッチバック風 |
| プラットフォーム | ステランティスのマルチエナジー対応基盤 |
| パワートレイン | ハイブリッド/EV |
| 最高出力 | 未発表 |
| 駆動方式 | 未発表 |
| 高性能モデル | クアドリフォリオ設定の可能性 |
| 登場時期 | 2028年以降の見通し |
| 日本導入 | 未発表 |
これまでアルファロメオは電動化を積極的に進めてきましたが、EV市場の変化を受けて、内燃機関を残す柔軟な戦略へと方向転換しています。
新型ジュリエッタに複数のパワートレインを用意する方針も、こうした市場環境への対応を反映したものといえるでしょう。
高性能「クアドリフォリオ」復活にも期待
アルファロメオを象徴する高性能グレード「クアドリフォリオ」が、新型ジュリエッタにも設定される可能性があります。
過去のジュリエッタには、1.75リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載する高性能仕様が存在し、コンパクトなボディと力強い加速性能を組み合わせたモデルとして人気を集めました。
次世代モデルでは、電動化技術を利用してさらに高いパフォーマンスを実現することも考えられますが、エンジンの種類や最高出力などの具体的な情報はまだ公表されていません。
一方、アルファロメオはイタリアのバロッコ・テストコースで、サスペンションやステアリング、ブレーキなどの開発を行う伝統を持っています。
新型ジュリエッタでも、単純な加速性能だけではなく、ドライバーの操作に対する自然な反応やコーナリング時の一体感を重視したセッティングが期待されます。
SUVに近い車高になったとしても、アルファロメオならではの走行性能を維持できるかが、ファンにとって最も重要なポイントになるでしょう。
2028年には新型SUVも登場 アルファロメオのラインアップが変わる
アルファロメオは、ジュリエッタの復活に先立ち、2028年初頭に新型SUVを投入する計画も進めています。
このSUVはイタリアのメルフィ工場で生産され、欧州市場におけるCセグメントとDセグメントの中間に位置するモデルになる予定です。
その後に登場する新型ジュリエッタは、コンパクトSUVのジュニアより上の市場を担い、トナーレとは異なる、よりプレミアムでスポーティな個性を打ち出すとみられています。
一方、現行のジュリアとステルヴィオについては、少なくとも2027年末まで販売を継続する方針が示されています。
両モデルの次世代計画は、当初想定されていたEV専用構成を見直すことになっており、後継車の具体的な投入時期は依然として不透明です。
こうした状況を考えると、今後のアルファロメオは新型SUVとジュリエッタを中心に販売基盤を再構築しながら、上級モデルの将来像を慎重に検討していくことになりそうです。
日本発売はあるのか 輸入コンパクト市場での存在感に期待
新型ジュリエッタの日本導入について、現時点で正式な発表はありません。
ただし、従来のジュリエッタは日本でも正規販売されていたことに加え、現在のアルファロメオもジュニアやトナーレなどのコンパクトモデルを展開しているため、新型ジュリエッタが日本市場に投入される可能性は十分に考えられます。
仮に導入されれば、メルセデス・ベンツAクラスやBMW 1シリーズ、アウディA3などを検討するユーザーにとって、新たな選択肢となるかもしれません。
もっとも、新型ジュリエッタは従来のハッチバックよりも車高が高くなる見通しであり、実際にはコンパクトSUVを含めた幅広い車種と比較される可能性があります。
価格やボディサイズ、エンジンラインアップなどの詳細が明らかになれば、日本市場における競争力もより具体的に見えてくるでしょう。
まとめ ジュリエッタ復活はアルファロメオ再建の象徴となるか
2028年以降の登場が見込まれる新型ジュリエッタは、単なる過去の名車の復活ではなく、アルファロメオの新しい方向性を象徴するモデルになりそうです。
ハッチバックとSUVの中間という独自のポジションに加え、ハイブリッドとEVの両方を視野に入れることで、幅広いユーザーの需要に対応することが期待されます。
その一方で、ジュリエッタという名前に魅力を感じてきたファンにとっては、従来の低く構えたスポーティなスタイルが変わることに複雑な思いもあるかもしれません。
だからこそ重要なのは、ボディ形状が変わっても、アルファロメオならではの美しいデザインと運転する楽しさを失わないことです。
新型ジュリエッタがその両方を実現できれば、イタリアンプレミアムブランドの存在感を再び高める一台になるのではないでしょうか。
参考・出典:Motor1 / Motor1 Italia / Carscoops




