27年経っても進化するゾンダ──ワンオフ「Pagani Zonda Cervino」がロンドンに現れる

1999年のデビューから四半世紀以上。


すでに後継モデルのウアイラ、そしてユートピアが登場しているにもかかわらず、パガーニ・ゾンダの物語はいまだ終わっていません。


世界に1台だけの特別なゾンダ、「Pagani Zonda Cervino(パガーニ・ゾンダ・チェルヴィーノ)」がロンドンの街中で目撃されました。

目次

ロンドンに現れた世界に1台のゾンダ

今回ロンドンで目撃されたZonda Cervinoは、量産モデルとして新たに製造されたゾンダではありません。


ベースとなっているのは「Zonda Oliver Evolution Roadster(オリバー・エボリューション・ロードスター)」です。


現オーナーが車両を購入した後、パガーニの特別プログラム「Pagani Unico」を通じて大規模な再構築が行われ、Zonda Cervinoとして生まれ変わりました。


ロンドンでは、自動車フォトグラファーのFreddie Atkins氏が助手席に乗る機会にも恵まれたと伝えられています。

メタリックブルー×カーボンへ大胆に変更

Zonda Cervinoでまず目を引くのが、その美しいボディカラーです。


エクステリアは、メタリックブルーとエクスポーズド・カーボンファイバーを組み合わせたツートーン仕様となっています。


ベースとなったOliver Evolution Roadsterのスポーティな要素を残しながら、よりエレガントで落ち着いた雰囲気へと仕上げられています。


リア周りにも大きな変更が加えられました。


Oliver Evolution Roadsterに装着されていた特徴的な大型リアウイングは、より控えめなデザインのスポイラーへ変更されています。


さらにZonda Rを思わせるテールランプから、ゾンダらしいクラシカルな丸型テールランプへと変更され、初期のゾンダを思わせる雰囲気も感じられるデザインとなっています。

インテリアもブルー×ホワイトで統一

変更はエクステリアだけではありません。


インテリアもブルーとホワイトのレザーを中心とした仕様へと全面的に変更されています。


ブルーのチェッカーパターンを採用したシートや、ブルーの文字盤を備えたメーターなど、エクステリアとの統一感を強く意識した仕上がりです。


パガーニらしい金属パーツや複雑なディテールと組み合わされることで、現代のスーパーカーとは異なる独特の世界観を作り出しています。

「Pagani Unico」は単なるレストアではない

Zonda Cervinoで特に注目したいのが、パガーニの「Unico」プログラムです。


パガーニはZonda Cervinoについて、既存のシャシーをベースとしながら完全に再構築されたモデルと説明しています。


ボディはアルプスの山々の純粋さからインスピレーションを受け、新たに専用設計されています。


さらに外観だけではなく、新開発のダンパーを含むサスペンションシステムや機械部品にもアップデートが加えられています。


つまりUnicoは、単にボディカラーや内装を変更する一般的なカスタマイズとは少し意味が異なります。


既存のパガーニをキャンバスとして、オーナーとメーカーが一緒になって新たな1台を作り上げるプログラムと考えた方が近いでしょう。

1999年に誕生したゾンダが今も「新しくなる」

Zonda Cervinoの存在が興味深いのは、単に世界に1台しかないからではありません。


初代Zonda C12が登場したのは1999年です。


それから27年以上が経過した2026年になっても、パガーニ自身の手によって新たなゾンダが生み出され続けています。


一般的な自動車であれば、モデルチェンジとともに旧型はメーカーのラインナップから姿を消していきます。


しかしパガーニにとってゾンダは、完成した過去の製品というよりも、オーナーとともに進化を続ける作品なのかもしれません。

MOTION & TIMEの視点

Zonda Cervinoを見ていると、高級車の価値とは「新しいこと」だけではないと改めて感じさせられます。


最新のハイパーカーが電動化や圧倒的な出力、ラップタイムを競う一方で、ゾンダが持つ自然吸気V12エンジンや独創的なデザイン、そして機械そのものを見せるようなインテリアは、時間が経過するほど特別な存在になっているようにも感じます。


さらにメーカー自身がUnicoのようなプログラムを用意することで、既存車両に新しいストーリーを与えている点も興味深いところです。


時計の世界では、長い年月を経たモデルがメーカーの手によって修復され、世代を超えて受け継がれていくことがあります。


ハイパーカーも同じように、「買って終わり」ではなく、長い時間をかけて価値や物語を育てていく存在になっていくのかもしれません。


1999年に始まったゾンダの物語は、まだ終わっていません。


ロンドンの街を走るZonda Cervinoは、それを象徴する1台と言えるでしょう。

参考・出典:Pagani Automobili / The Supercar Blog / Autogespot

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この記事を書いた人

メルセデス・ベンツ正規ディーラーを中心に、自動車業界で10年以上の経験を持つ筆者。販売現場で培った経験をもとに、高級車・新型車を中心とした自動車情報を独自の視点で発信しています。

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