レクサスLXに待望の「F SPORT」登場。1,700万円から、トルセンLSD採用で走りを大幅強化

レクサスは2026年10月1日、フラッグシップSUV「LX」の一部改良を実施するとともに、新たに「F SPORT」をラインアップへ追加し、全国のレクサス店で発売しました。

今回の改良で大きな注目を集めるのが、LXとして新たに設定されたF SPORTです。単にブラックパーツや専用ホイールによって外観をスポーティに仕立てたモデルではなく、トルセンLSDやパフォーマンスダンパー、リヤスタビライザーに加え、専用チューニングされたEPSやAVSまで採用しており、巨大なラグジュアリーSUVであるLXに「運転する楽しさ」という新たな方向性を与えています。

価格はLX600 F SPORTが1,700万円、ハイブリッドのLX700h F SPORTが1,800万円。さらに今回の一部改良ではF SPORT以外のモデルにも手が加えられており、LXシリーズ全体として走りの質感が引き上げられました。

目次

LXに「走り」を追求したF SPORTが登場

LXは「世界中のどんな道でも楽に・上質に」をコンセプトとするレクサスのフラッグシップSUVで、現在では世界50カ国以上で販売されています。

高い悪路走破性とラグジュアリー性を両立してきたモデルですが、今回追加されたF SPORTでは、そこへさらにオンロードでのレスポンスや操縦安定性を重視したキャラクターが与えられました。

その中心となるのが、F SPORT専用にチューニングされた前後パフォーマンスダンパーとトルセンLSD、リヤスタビライザーです。さらにEPS(電動パワーステアリング)とAVS(Adaptive Variable Suspension system)にも専用チューニングが施されており、レクサスは優れたレスポンスと高い操縦安定性を実現したと説明しています。

LXのような大型SUVでは、ボディサイズや重量からスポーツ性能との両立が難しくなりますが、今回のF SPORTはパワートレーンそのものを高出力化するのではなく、駆動力の伝達やボディの動き、ステアリングレスポンスといった部分を磨き込むことで、ドライバーが感じる「走りの質」を変えるアプローチが採られています。

トルセンLSDと専用足回りを標準装備

F SPORTで特に注目したい装備がトルセンLSDです。

左右輪の回転差を適切に制御することで、コーナリングや路面状況の変化に応じて駆動力を効果的に伝えられるため、単純な外観変更にとどまらず、実際の走行性能にも踏み込んだF SPORTであることが分かります。

さらに前後パフォーマンスダンパーとリヤスタビライザーを標準装備し、EPSとAVSもF SPORT専用セッティングとすることで、LX本来の快適性を残しながら、ステアリング操作に対する車両の応答性や安定感を高める方向へ仕上げられました。

一方、今回の一部改良ではF SPORTだけではなく全仕様でEPSのチューニングが最適化され、サスペンション特性についても見直されています。そのうえで標準仕様、EXECUTIVE、OVERTRAIL+、F SPORTそれぞれのキャラクターが明確になるよう作り分けられており、LXというひとつのモデルの中でも、ユーザーが求める用途によって選び分けやすい構成になりました。

ブラックメッシュグリルと22インチ鍛造ホイールを採用

エクステリアにもF SPORT専用デザインが数多く採用されています。

フロントにはメッキモールとブラック塗装を組み合わせたメッシュパターンのラジエーターグリルを装着し、フロントエンドを低く見せるデザインによって、通常のLXとは異なる低重心でスポーティな印象を強めました。

リヤにもブラック塗装されたディフューザー形状のバンパーを採用し、リヤバンパーロアにはフロントグリルと共通するメッシュパターンを配置することで、前後のデザインに統一感を持たせています。

足元には265/50R22タイヤと22インチ鍛造アルミホイールを標準装備。ホイールはスーパーグロスブラックメタリック塗装で仕上げられ、さらにLEXUSロゴ入りのレッドブレーキキャリパーもオプションとして用意されます。

専用色「ニュートリノグレー」を設定

ボディカラーでは、F SPORT専用色として「ニュートリノグレー」が設定されました。

硬質なライトグレーをベースに、ハイライト部分へわずかにメタリック感を持たせたカラーで、F SPORTのスポーティなキャラクターを強調します。F SPORTではニュートリノグレーを含めて全6色のエクステリアカラーが用意されます。

また、今回の一部改良では「ホワイトノーヴァガラスフレーク」がLX全仕様で選択可能となっており、F SPORT以外についてもボディカラーの選択肢が広げられました。

インテリアにはフレアレッドと日本刀をイメージした「刃取」

インテリアについても、F SPORTならではの演出が随所に採り入れられています。

フロントシートはサイドサポート部分の構造を強化し、コーナリング時など横方向のGが発生した際のホールド性能を向上。さらにF SPORTブラックロゴ入りスカッフプレートやアルミ製スポーツペダル&フットレスト、ディンプル本革を使用したステアリングホイールとシフトノブなどが装備されます。

12.3インチのフルグラフィックメーターにもF SPORT専用デザインを含む3種類の表示レイアウトが用意され、走行シーンやドライバーの好みに応じて表示を変更できます。

インテリアカラーはF SPORT専用色の「フレアレッド」を含む3色が設定され、さらに注目したいのが、日本刀の刃紋を表現したアルミニウムオーナメントパネル「刃取」です。

砥石を回しながら研磨を繰り返すことで生まれる微妙な揺らぎや立体感を表現したもので、単純にスポーティなだけではなく、日本ブランドであるレクサスらしいクラフトマンシップをF SPORTの世界観へ組み込んでいます。

LX600とLX700hの両方にF SPORTを設定

F SPORTはガソリンモデルのLX600だけではなく、ハイブリッドモデルのLX700hにも設定されます。

モデルパワートレーントランスミッション乗車定員駆動方式価格
LX6003.5L V6ツインターボDirect Shift 10-AT5/7名AWD1,560万円
LX600 EXECUTIVE3.5L V6ツインターボDirect Shift 10-AT4名AWD2,110万円
LX600 OVERTRAIL+3.5L V6ツインターボDirect Shift 10-AT5/7名AWD1,600万円
LX600 F SPORT3.5L V6ツインターボDirect Shift 10-AT5/7名AWD1,700万円
LX700h3.5L V6ツインターボハイブリッドDirect Shift 10-AT5/7名AWD1,700万円
LX700h EXECUTIVE3.5L V6ツインターボハイブリッドDirect Shift 10-AT4名AWD2,210万円
LX700h OVERTRAIL+3.5L V6ツインターボハイブリッドDirect Shift 10-AT5/7名AWD1,700万円
LX700h F SPORT3.5L V6ツインターボハイブリッドDirect Shift 10-AT5/7名AWD1,800万円

F SPORTの価格はLX600が1,700万円、LX700hが1,800万円となっており、それぞれ標準仕様に対して140万円、100万円高い設定です。

OVERTRAIL+も進化、タイヤを265/70R18へ大型化

今回の改良では、オフロード志向のOVERTRAIL+にも変更が加えられました。

従来の265/65R18から265/70R18へタイヤサイズを変更し、タイヤ外径の拡大に合わせて最低地上高も高めることで、岩石路など厳しい環境における走破性能を向上させています。

タイヤ側面にはブロックパターンを採用してタフなデザインを強調する一方、タイヤ構造とトレッドパターンを最適化することでオンロードでの静粛性にも配慮しており、悪路性能だけに特化しないLXらしい仕上がりとなっています。

また、LX600の標準仕様にはV字型の切削ツインスポークとダーククリア塗装を組み合わせた新しい20インチアルミホイールが設定されました。

「高級オフローダー」だけではないLXへ

LXはランドクルーザーをルーツに持つ圧倒的な悪路走破性能と、レクサスのフラッグシップにふさわしい豪華さを組み合わせることで独自のポジションを築いてきましたが、今回のF SPORT追加によって、そのキャラクターはさらに広がったと言えそうです。

特に興味深いのは、F SPORTが単なるドレスアップグレードではないことです。トルセンLSDや前後パフォーマンスダンパー、リヤスタビライザーを装備し、さらにEPSとAVSまで専用チューニングするなど、車両の動きそのものを変えるための装備が投入されています。

一方では悪路走破性をさらに高めたOVERTRAIL+、もう一方ではオンロードでのドライビングプレジャーを追求するF SPORT、そして後席での快適性を重視したEXECUTIVEが用意されたことで、同じLXでもユーザーのライフスタイルに合わせて明確に選択できるラインアップになりました。

レクサスのフラッグシップSUVに「走る楽しさ」という新しい選択肢を加えたLX F SPORTは、今回の一部改良を象徴する存在となりそうです。

参考・出典:LEXUS / Toyota Motor Corporation

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

メルセデス・ベンツ正規ディーラーを中心に、自動車業界で10年以上の経験を持つ筆者。販売現場で培った経験をもとに、高級車・新型車を中心とした自動車情報を独自の視点で発信しています。

目次