アウディが、ついにフルサイズSUV市場へ本格参入します。
新たに登場した「Audi Q9」は、Q7やQ8よりもさらに上に位置する新しいフラッグシップSUVです。
全長は5.31mに達し、BMW X7やメルセデス・ベンツ GLSを上回る堂々たるボディサイズを実現。7人乗りを基本としながら、2列目を独立シートとした6人乗り仕様も用意されます。
これまで大型プレミアムSUV市場ではBMW X7やメルセデス・ベンツ GLSが存在感を示してきましたが、そこへアウディが満を持して投入するのがQ9です。
アウディ史上最大。全長5.31mの巨大SUV

Q9のボディサイズは、全長5.31m、全幅2.21m(ミラー含む)、全高1.81m、ホイールベース3.14m。
アウディ史上最大のモデルとなります。
全長だけを見てもBMW X7やメルセデス・ベンツ GLSを上回るサイズで、ロングホイールベース仕様のレンジローバーよりも長大です。
最大23インチのホイールも用意されるなど、まさにフラッグシップSUVにふさわしい圧倒的な存在感を備えています。
一方、日本で使用することを考えると、このサイズは大きなポイントになりそうです。
全長5.3m超というだけでなく、全幅も非常に大きいため、日本の一般的な駐車場や立体駐車場では取り回しに苦労する場面も考えられます。
Q7とは明確に異なる「ショーファーカー的」な室内

Q9が重視しているのは、単純なボディサイズだけではありません。
標準仕様は3列シートの7人乗りですが、2列目を左右独立式の電動シートとした6人乗り仕様も設定されています。
さらに、自動開閉式ドアやアウディ史上最大となるパノラミックサンルーフなど、従来のQシリーズ以上に後席での快適性を意識した装備が採用されています。
つまりQ9は「大きなQ7」というより、SUVボディを採用したアウディの新しい最高級モデルと考えた方が近いでしょう。
特に6人乗り仕様は、北米や中東などの富裕層だけでなく、ショーファードリブン用途も意識したモデルと言えそうです。
最新のライティング技術も投入

エクステリアには現在のアウディらしいデザインが採用されています。
フロントには非常にスリムなデイタイムランニングライトを配置し、その下にメインとなるライトユニットを設置。
リアには曲面形状のデジタルOLEDパネルが採用されています。
さらに、右左折や車線変更時にウインカーを路面へ投影する機能も搭載されるなど、ライティング技術はQ9を象徴するポイントのひとつです。
巨大なボディだけに頼るのではなく、最新のデジタル技術によってフラッグシップらしさを演出している点は、いかにも現在のアウディらしい部分です。
欧州仕様は3.0L V6ディーゼルからスタート
欧州市場で販売されるQ9の中心となるのが、3.0L V6 TDIです。
最高出力は220kW(約299PS)、最大トルクは630Nm。
MHEV plusシステムを組み合わせ、quattroフルタイム4WDを標準装備します。
さらにQ9にはアダプティブエアサスペンションと後輪操舵も採用されます。
5.31mという巨大なボディを考えると、後輪操舵は都市部での取り回しにも大きな効果を発揮しそうです。
約600馬力の「SQ9」も登場。しかし……

Q9には、さらに強力な「SQ9」も設定されます。
こちらには4.0L V8ツインターボエンジンを搭載し、最高出力591hpを発生。
0-100km/h加速は約4.0秒という、巨大な3列シートSUVとは思えない性能を実現しています。
しかし、ここにはひとつ大きな問題があります。
SQ9は一部市場向けの設定となっており、少なくとも当初はすべての地域で販売されるわけではありません。
英国でも発売当初のQ9はV6ディーゼルのみとなり、V8を搭載するBMW X7 M60iのような高性能モデルを求めるユーザーにとっては物足りなさが残ります。
これが、Q9の数少ない弱点と言えるかもしれません。
BMW X7、Mercedes-Benz GLSと真っ向勝負
Q9が狙う市場は非常に明確です。
最大のライバルとなるのはBMW X7とメルセデス・ベンツ GLSです。
BMW X7はドライバーズカーとしての性格を持ちながら、M60iではV8エンジンも選択できます。
一方のGLSは、高い快適性と広大な室内空間を武器とするメルセデス・ベンツSUVのフラッグシップです。
そこへQ9は、ライバル以上のボディサイズと最新のデジタル技術、そしてアウディらしいquattroを組み合わせて挑むことになります。
これまでこのクラスに直接的なライバルを持っていなかったアウディにとって、Q9は非常に重要なモデルになるでしょう。
英国価格は約2,000万円。日本導入は?
英国ではQ9 Edition 1が10万3,900ポンドから、上級仕様のVorsprungは11万3,250ポンドからとなっています。
単純に為替換算すると約2,000万円前後となる価格帯です。
ドイツではQ9 TDI 220kWが10万8,400ユーロから設定されています。
気になるのは日本市場への導入です。
アウディはQ9について北米市場を強く意識して開発したことを明らかにしており、現時点では追加市場への展開について検討中としています。
そのため、日本への正式導入については現段階では未定です。
ただし、BMW X7やメルセデス・ベンツ GLS、レンジローバーといった大型ラグジュアリーSUVが日本でも販売されていることを考えると、Q9の日本導入にも期待したいところです。
まとめ
Audi Q9は、単純にQ7を大型化しただけのSUVではありません。
全長5.31mというアウディ史上最大のボディ、最大7人乗りの室内、独立式電動リアシート、自動ドア、巨大なパノラミックルーフ、最新のOLEDライティングなどを備え、アウディの新しいフラッグシップとして開発されています。
特に興味深いのは、アウディがBMW X7やメルセデス・ベンツ GLSが長年築いてきたフルサイズ・ラグジュアリーSUV市場へ、ようやく本格参入したことです。
一方、地域によっては発売当初のパワートレインがV6ディーゼルに限られ、約600馬力のSQ9が選択できない点は惜しいところです。
もしQ9、そしてSQ9まで日本市場へ導入されれば、BMW X7、Mercedes-Benz GLS、Range Roverを含めた大型ラグジュアリーSUV市場の勢力図が大きく変わる可能性があります。
日本導入の正式発表にも注目したい一台です。
参考・出典:Audi公式 / evo




