メルセデス・ベンツは、新型電動Cクラスに新たなエントリーモデル「C 300 4MATIC electric」を追加し、ドイツで受注を開始しました。
すでに販売されている上位モデル「C 400 4MATIC electric」より価格を抑えたモデルとなりますが、それでもドイツでの車両価格は6万2,951ユーロ(約1,125万円)。Cクラスとしては決して手頃とは言えない価格設定となっています。
C 300 4MATIC electricが新たに登場

電動Cクラスは2026年5月、まず「C 400 4MATIC electric」から販売がスタートしました。
ドイツでのC 400 4MATIC electricの価格は6万7,711ユーロ(約1,210万円)からでしたが、今回追加されたC 300 4MATIC electricは6万2,951ユーロ(約1,125万円)から。
約4,760ユーロ(約85万円)安い価格設定となり、電動Cクラスへのハードルを少し引き下げたモデルといえます。
ただし、従来のCクラスが担ってきた「メルセデスの中核を担うプレミアムセダン」という立ち位置を考えると、依然としてかなり高価格なモデルです。
C 300 4MATIC electricのスペック
C 300 4MATIC electricでは、価格を抑えるためにC 400 4MATIC electricよりも小容量のバッテリーが採用されています。
| 項目 | C 300 4MATIC electric | C 400 4MATIC electric |
|---|---|---|
| 駆動方式 | 4MATIC(AWD) | 4MATIC(AWD) |
| バッテリー容量(使用可能) | 85kWh | 94kWh |
| 最高出力 | 約416ps | 約483ps |
| 最大トルク | 約800Nm | ― |
| 0-100km/h加速 | 4.5秒 | 4.0秒 |
| WLTP航続距離 | 最大約690km | 最大762km |
| 電気アーキテクチャ | 800V | 800V |
| DC急速充電 | 最大320kW級 | 最大320kW級 |
| ドイツ価格 | 62,951ユーロ〜 | 67,711ユーロ〜 |
C 300 4MATIC electricはエントリーモデルとはいえ、最高出力は約416ps。
0-100km/h加速もわずか4.5秒で、一般的なCクラスというよりも、従来の高性能モデルに近い動力性能を備えています。
航続距離は最大約690km
85kWhのバッテリーを搭載し、WLTP基準の航続距離は最大約690km。
C 400 4MATIC electricの最大762kmには及びませんが、長距離移動を十分に想定できる性能です。
さらに800Vアーキテクチャを採用しており、高出力のDC急速充電にも対応します。
Autoblogによれば、約10分間の急速充電で約180マイル(約290km)分の航続距離を追加できるとされています。
EVでありながら、長距離移動時の充電時間をできるだけ短くすることも、新世代メルセデスEVの重要なポイントです。
装備は上位モデルに近い
価格を抑えたC 300ですが、単なる廉価版というわけではありません。
エクステリアは電動Cクラス特有のクーペライクなシルエットを採用し、インテリアには新世代MB.OSをベースとしたデジタル環境が用意されています。
さらにオプションとして「AIRMATIC」エアサスペンションや後輪操舵システムも選択可能です。
つまりC 300では、装備を大幅に削るのではなく、主にバッテリー容量とモーター出力を調整することでC 400との差別化を図ったと考えられます。
今後は後輪駆動モデルも登場予定
注目したいのは、C 300 4MATIC electricが電動Cクラスの最廉価モデルになるとは限らないことです。
メルセデス・ベンツは、今後さらに後輪駆動モデルや異なるバッテリー仕様を追加すると正式に発表しています。
特に後輪駆動モデルについては、以前の発表で約800kmの航続距離を目指すことも明らかにされています。
前後2基のモーターを搭載する4MATICからシングルモーターの後輪駆動へ変更すれば、車両価格をさらに引き下げられる可能性があります。
約7万3,000ドルでも「安い」電動Cクラス
今回のC 300 4MATIC electricは、C 400より確実に購入しやすくなりました。
しかし約7万3,000ドルという価格を考えると、「Cクラスの廉価モデル」という表現には少し違和感があります。
一方で、416psの最高出力、約690kmの航続距離、800Vアーキテクチャ、AIRMATICや後輪操舵といった内容を見ると、従来のCクラスより明らかに上級志向のモデルへ進化していることも事実です。
メルセデスは電動化によって、Cクラスそのものの立ち位置を一段上へ引き上げようとしているのかもしれません。
今後追加される後輪駆動モデルがどこまで価格を下げられるのか。そして日本市場にどのグレードが導入されるのかが、次の注目ポイントになりそうです。
参考・出典Mercedes-Benz / Autoblog



