ランボルギーニの最新スーパーカー「Temerario(テメラリオ)」に、特別な任務を担う1台が誕生しました。
イタリア国家警察(Polizia di Stato)に導入された「Temerario Polizia」です。
最高出力920CV(約907hp)、最高速度343km/hという圧倒的なパフォーマンスを誇りますが、その目的はスピード違反車を追跡することではありません。
このランボルギーニが運ぶのは、移植を待つ患者の命を左右する「臓器」や緊急医療物資です。
ランボルギーニ・テメラリオがイタリア警察車両に

ランボルギーニは2026年9月4日、本拠地であるサンタアガタ・ボロニェーゼにおいて、イタリア国家警察向けの新型「Temerario Polizia」を発表しました。
車両の引き渡しには、イタリア内務大臣マッテオ・ピアンテドージ氏、ランボルギーニ会長兼CEOのステファン・ヴィンケルマン氏らが出席しています。
ブルーとホワイトを基調としたイタリア国家警察専用のカラーリングに加え、ルーフには警光灯を装備。
一目見ただけでも通常のテメラリオとはまったく異なる存在感を放っています。
目的は「取り締まり」ではなく臓器の緊急輸送
907馬力を発生するスーパーカーの警察車両と聞けば、高速道路でスピード違反車を追跡する姿を想像するかもしれません。
しかし、Temerario Poliziaに与えられた重要な役割のひとつが、臓器や医療物資の緊急輸送です。
移植用臓器は、摘出されてから移植までに許される時間が限られています。
そのため長距離を可能な限り迅速かつ安全に移動する能力は、単なる「速さ」ではなく、人命を救うための性能になります。
世界有数のスーパーカーが持つパフォーマンスを、人命救助のために活用する。それがイタリアにおけるランボルギーニ警察車両の大きな特徴です。
テメラリオは907馬力のV8ハイブリッド

Temerario Poliziaのベースとなるテメラリオは、ウラカンの後継として登場したランボルギーニの新世代スーパースポーツです。
従来の自然吸気V10エンジンから大きく方向転換し、4.0リッターV8ツインターボエンジンと3基の電気モーターを組み合わせたハイブリッドパワートレインを採用しています。
| 項目 | ランボルギーニ Temerario |
|---|---|
| エンジン | 4.0L V8ツインターボ |
| 電気モーター | 3基 |
| システム最高出力 | 920CV(677kW/約907hp) |
| トランスミッション | 8速DCT |
| 0-100km/h加速 | 2.7秒 |
| 最高速度 | 343km/h |
| 駆動方式 | AWD |
0-100km/h加速はわずか2.7秒、最高速度は343km/h。
警察車両として考えれば明らかに規格外ですが、緊急輸送という特殊な任務では、この圧倒的な性能が大きな意味を持ちます。
始まりは2004年のランボルギーニ・ガヤルド
実は、ランボルギーニとイタリア国家警察の関係は今回が初めてではありません。
両者の協力関係は2004年まで遡ります。
最初に警察へ提供されたのは「ランボルギーニ・ガヤルド」でした。
その後もガヤルド LP560-4、ウラカン、そして2023年にはスーパーSUV「ウルス・ペルフォルマンテ」が警察車両として導入されています。
| モデル | 導入時期 | 主な特徴・用途 |
|---|---|---|
| Gallardo | 2004年〜 | パトロール・緊急医療輸送 |
| Gallardo LP 560-4 | 2008年〜 | 臓器輸送など |
| Huracán LP 610-4 | 2014年〜 | 高速道路・臓器輸送 |
| Urus Performante | 2023年〜 | 緊急医療輸送など |
| Temerario Polizia | 2026年〜 | 臓器・医療物資の緊急輸送 |
これまでに200件以上の臓器輸送を実施
こうしたランボルギーニ警察車両は、単なる広報目的のショーカーではありません。
ランボルギーニによると、2004年から続くイタリア国家警察との協力によって、これまでに200件を超える臓器輸送ミッションが実施されています。
さらに、ランボルギーニの警察車両は1,500件以上の交通安全教育イベントにも参加してきました。
つまり「速いパトカー」という話題性だけではなく、実際に20年以上にわたって社会的な役割を担ってきたプロジェクトなのです。
「速さ」が本当に人の命を救うランボルギーニ
スーパーカーの最高速度や0-100km/h加速は、通常であれば性能を象徴する数字として語られます。
しかしTemerario Poliziaの場合、その「速さ」にはまったく別の意味があります。
数分、場合によっては数十分の違いが重要になる臓器輸送において、高速かつ安全に長距離を移動できる性能は、人命に直結する能力になり得ます。
もちろん、公道で343km/hを出すための車という意味ではありません。
重要なのは、強力な加速性能、高速巡航能力、四輪駆動による安定性など、テメラリオが持つ総合的なパフォーマンスを緊急任務に活用できることです。
まとめ|907馬力を「命を救うため」に使う特別なテメラリオ
ランボルギーニ・テメラリオは、それだけでも自動車業界を代表する最新スーパーカーのひとつです。
しかし今回登場したTemerario Poliziaは、その907馬力という性能を単なる速さのためではなく、「一刻も早く臓器や医療物資を届ける」という目的のために活用します。
2004年のガヤルドから始まり、ウラカン、ウルス、そしてテメラリオへ。
20年以上続くランボルギーニとイタリア国家警察の関係は、スーパーカーの性能が社会の中でどのような価値を生み出せるのかを示す、非常に興味深い取り組みです。
「速さ」がステータスではなく、人の命を救うための性能になる。
Temerario Poliziaは、数あるランボルギーニの中でも特別な意味を持つ1台と言えるでしょう。
参考・出典:Autoblog / Automobili Lamborghini




