トヨタの伝説的なスポーツクーペ「セリカ」が、約20年の空白を経て復活する可能性が高まっています。
かつて世界ラリー選手権(WRC)で数々の勝利を収め、日本のスポーツカー黄金期を象徴する存在となったセリカですが、次期モデルでは新開発の2.0リッターターボエンジンや四輪駆動システム、さらにはハイブリッド技術の採用が取り沙汰されています。
海外の最新報道によると、最高出力は約400馬力に達する可能性があり、2027年から2028年にかけて登場するとの見方も浮上しています。
単なる往年の名車の復刻ではなく、トヨタの次世代スポーツカー戦略を担う重要なモデルとなるのか、現在判明している情報を詳しく解説します。
約20年ぶりのセリカ復活、トヨタが目指す新たなスポーツカー

セリカは1970年に初代モデルが登場して以来、手の届きやすい価格とスポーティなスタイリングを両立するクーペとして、世界中で人気を集めてきました。
特に1980年代後半から1990年代にかけて登場した「セリカ GT-FOUR」は、ターボエンジンとフルタイム四輪駆動を組み合わせ、WRCでも輝かしい実績を残しています。
しかし、2006年に7代目セリカの生産が終了すると、その名はトヨタのラインアップから姿を消しました。
転機となったのは2024年です。ラリージャパンの会場でトヨタ幹部がセリカ復活に言及したことをきっかけに、次期モデルの開発に関する情報が相次ぐようになりました。
その後もトヨタ関係者から開発を示唆する発言があり、モータースポーツの現場では新型スポーツカーとの関連が噂される試験車両も確認されています。
ただし、2026年10月時点で市販モデルの正式名称や詳細な仕様、発売時期は発表されていません。
新型セリカは最高出力400馬力級、新開発2.0リッターターボを搭載か

次期セリカで最も注目されているのが、トヨタが開発を進める新世代2.0リッター直列4気筒ターボエンジン「G20E」の採用です。
このエンジンはモータースポーツを通じて開発が進められており、従来のGRヤリスやGRカローラに搭載される1.6リッター直列3気筒ターボとは異なる、新たな高性能パワーユニットとして期待されています。
海外では最高出力400PSを超える可能性が報じられており、一部では450PS級という予測も登場しています。
さらに、環境規制への対応と走行性能の向上を両立するため、ハイブリッドシステムの採用も検討されているようです。
電動モーターによって低回転域のトルクを補完できれば、ターボエンジン特有の力強い加速を維持しながら、より優れたレスポンスを実現できる可能性があります。
一方、通常のハイブリッド方式になるのか、外部充電に対応するプラグインハイブリッドになるのかについては、現段階では決まっていません。
新型セリカの予想スペック
| 項目 | 予想される仕様 |
|---|---|
| 車名 | セリカ Sport/GRセリカ(仮称) |
| エンジン | 2.0L直列4気筒ターボ |
| エンジン型式 | G20E系 |
| 最高出力 | 約400〜450PS(予測) |
| 駆動方式 | 四輪駆動が有力 |
| 電動化 | HEV/PHEVを検討 |
| トランスミッション | 6速MT/8速GR-DAT(噂) |
| エンジン搭載位置 | フロント/ミッドシップ(未確定) |
| 登場時期 | 2027〜2028年(予測) |
| 日本価格 | 未発表 |
※上記は海外報道などをもとにした予想であり、トヨタが正式発表した市販車のスペックではありません。
四輪駆動の採用でGT-FOURの精神が復活する可能性
新型セリカでは四輪駆動システムの採用が有力視されており、実現すれば往年のGT-FOURを思わせるモデルになる可能性があります。
かつてのセリカ GT-FOURは、単に高出力なエンジンを搭載するだけでなく、そのパワーを四輪へ効率的に伝えることで、舗装路から滑りやすい路面まで高い走行性能を発揮しました。
現代のトヨタにはGRヤリスやGRカローラで培った高性能四輪駆動技術があり、こうしたノウハウを次期セリカに展開することも十分に考えられます。
仮に400PS級の出力と高度な四輪駆動制御を組み合わせれば、GR86とは明確に異なるキャラクターを持つスポーツカーとなるでしょう。
ただし、伝統的な「GT-FOUR」の名称が復活するかどうかは明らかになっておらず、正式名称には「セリカ Sport」や「GRセリカ」といった候補が取り沙汰されています。
WRC参戦車両との関係、欧州で目撃された謎のプロトタイプ
次期セリカへの期待を高めているもう一つの要素が、欧州で目撃されたトヨタのラリー用プロトタイプです。
ポルトガルやスペインでは、大きく張り出したフェンダーや巨大なリアウイングを備える2ドア車両がテストを行っており、2027年のWRCに向けて開発されている車両ではないかと報じられています。
その外観は従来のGRヤリスとは異なる印象を与え、往年のセリカを連想させるクーペスタイルが注目を集めています。
ただし、ラリー競技車両は専用のシャシーや競技規則に基づいて開発されるため、このプロトタイプのデザインや構造が、そのまま市販セリカに採用されるとは限りません。
現時点では、ラリー用車両と次期市販セリカの直接的な関係は確認されていませんが、トヨタがモータースポーツを通じて新たな高性能車の開発を進めていることは、セリカ復活を考えるうえで重要な材料といえます。
エンジンはフロントかミッドシップか、注目される車両構成
次期セリカについては、エンジンの搭載位置も大きな注目点となっています。
歴代セリカはすべてフロントエンジンを採用してきたため、伝統を継承するのであれば、新型もフロントエンジンの四輪駆動クーペとなる可能性が高いでしょう。
一方、トヨタは「GRヤリス Mコンセプト」を通じて、2.0リッターターボエンジンを車体中央付近に搭載するミッドシップ構成の開発も進めています。
この技術が次期セリカに応用される可能性も一部で指摘されていますが、ミッドシップ構成は復活が噂されるMR2との関連も考えられるため、両車の役割分担はまだ不透明です。
セリカが伝統的なフロントエンジンを継承するのか、それとも新たなレイアウトへ進化するのかによって、完成するスポーツカーの性格は大きく変わることになります。
新型セリカとGR86、ホンダ・プレリュードの違いは?
新型セリカが登場した場合、トヨタのスポーツカーラインアップにおける立ち位置も注目されます。
現在のGR86は、後輪駆動と自然吸気エンジンによる軽快なハンドリングを重視するスポーツカーです。
これに対して新型セリカが高出力ターボと四輪駆動を採用すれば、より強力な加速性能と高いトラクション性能を備えるモデルとして、GR86との差別化が図られると考えられます。
また、ホンダが復活させたプレリュードとの比較も興味深いところです。
プレリュードはハイブリッドによる快適性と走りの楽しさを両立する方向性ですが、新型セリカは現段階の情報を見る限り、モータースポーツとの結び付きを重視した、より高性能なモデルになる可能性があります。
両車がそれぞれ異なる価値観を提示することで、日本のスポーツクーペ市場に再び活気が生まれることも期待されます。
新型セリカの発売は2027〜2028年か、日本導入にも期待
次期セリカの発表時期については、2027年から2028年という予測が浮上しています。
特に2027年のWRCに向けたトヨタの開発活動が注目されていることから、今後1〜2年の間に何らかの公式情報が明らかになる可能性があります。
もっとも、ラリー車両の公開時期と市販車の発売時期が一致するとは限らず、現時点で具体的な発表日や販売開始日は確認されていません。
日本での販売価格についても正式な情報はありませんが、仮に400PS級のターボエンジン、四輪駆動、ハイブリッドシステムを組み合わせるのであれば、かつてのセリカのような手頃なスポーツクーペとは異なる価格帯になる可能性があります。
今後は、車両の基本構造やパワートレインに加え、日本市場でどのような位置付けになるのかも注目したいところです。
まとめ|新型セリカはトヨタのスポーツカー戦略を象徴する存在になるか
約20年ぶりの復活が期待されるトヨタ・セリカは、往年の名車を現代風に再現するだけでなく、新世代の高性能スポーツカーとして生まれ変わる可能性を秘めています。
400PS級の新開発ターボエンジン、四輪駆動、ハイブリッド技術という組み合わせが実現すれば、かつてのGT-FOURが築いたラリー由来の高性能というイメージを、現代の技術で再解釈した一台となるでしょう。
また、GR86やスープラ、復活が噂されるMR2との関係を考えても、セリカはトヨタのスポーツカー戦略を語るうえで重要な存在になりそうです。
正式発表までは不確定な情報も多いものの、モータースポーツで培われた技術が市販モデルにどのように反映されるのか、今後の動向から目が離せません。
参考・出典:Autoblog / Autocar / Top Gear / MotorTrend




