世界屈指のスーパーカーを警察車両として採用することで知られるドバイ警察に、新たな1台が加わりました。
今回採用されたのは、フェラーリが誇るV12フロントエンジンGT「812 Superfast」です。しかし、単なる812 Superfastではなく、ドイツの高級チューナー「MANSORY(マンソリー)」によってカスタマイズされた特別仕様であり、ドバイ警察らしいホワイト×グリーンのカラーリングと相まって、一般的なパトカーとはまったく異なる存在感を放っています。
しかも、その性能は見た目だけではありません。発表されている最高出力は800hp級、0-100km/h加速はわずか2.8秒、最高速度は345km/hに達するとされており、もはや「スーパーカーをベースにした警察車両」というより、本物のスーパーカーがそのまま警察車両になったと表現したほうが適切でしょう。
MANSORYが手掛けたフェラーリ812のパトカー

ベースとなる812 Superfastは、フェラーリの伝統ともいえる自然吸気V12エンジンをフロントに搭載するモデルです。
今回の車両にはMANSORYによるカスタマイズが施されており、フロントにはイエローのアクセントが入ったカーボンファイバー製スプリッターを装着するほか、グリル周辺にも変更が加えられています。また、ボンネットにはカーボン製ベントが追加され、ブラックのアフターマーケットホイールとイエローのブレーキキャリパーを組み合わせることで、ドバイ警察のカラーリングを残しながらもMANSORYらしい雰囲気に仕上げられました。
さらに目を引くのがリアセクションで、大型の固定式リアウイングに加えて専用ディフューザーを装備し、こちらにもイエローのアクセントが与えられています。F1マシンを思わせるセンター配置のブレーキライトまで採用されており、812 Superfast本来の美しいGTスタイルを残しつつ、より攻撃的なスタイリングへと変化しています。
もちろん警察車両であるため、ボディにはドバイ警察を象徴するホワイトとグリーンのカラーリングが施され、緊急車両用のライトも装備されています。
最高速度345km/h、0-100km/h加速2.8秒

ドバイ警察が発表している車両の性能も強烈です。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| ベース車両 | Ferrari 812 Superfast |
| エンジン | 6.5L 自然吸気V12 |
| 最高出力 | 約800hp(約811PS)級 |
| 0-100km/h加速 | 2.8秒 |
| 最高速度 | 345km/h |
| カスタマイズ | MANSORY |
| 駆動方式 | 後輪駆動 |
フェラーリ812 Superfastはノーマルの時点ですでに世界最高峰のGTですが、ドバイ警察が公表した数値では0-100km/h加速2.8秒、最高速度345km/hとされており、警察車両として考えれば文字通り桁違いの性能です。
特に注目したいのは6.5L自然吸気V12エンジンで、電動化やダウンサイジングターボが急速に広がる現在、こうした大排気量自然吸気エンジンを搭載するモデルそのものが貴重になりつつあります。
その意味でも今回の812は、単に「速いパトカー」というだけではなく、フェラーリのV12時代を象徴する1台がドバイ警察のコレクションに加わったという点でも興味深い存在です。
ドバイ警察とMANSORYの関係は今回が初めてではない
さらに興味深いのは、ドバイ警察とMANSORYの組み合わせが今回だけではないことです。
今回の812 Superfastは、両者による5台目のコラボレーション車両とされています。
ドバイ警察には以前から数多くのスーパーカーや高級車が導入されてきましたが、2026年1月にはMANSORYによってカスタマイズされたランボルギーニ・レヴエルトも加わっており、単に高性能車を導入するだけではなく、カスタムされた特別な車両を積極的に採用する姿勢が見えてきます。
つまりドバイ警察にとってスーパーカーは、単なる移動手段や犯罪者を追跡するための高速車両ではなく、都市そのものを象徴する存在としても位置付けられているのでしょう。
なぜドバイ警察はスーパーカーを導入するのか
「警察にフェラーリが本当に必要なのか」と考える人もいるかもしれません。
しかし、ドバイ警察のスーパーカー部隊を見る際には、通常のパトカーと同じ尺度だけで考えないほうが分かりやすいでしょう。
ドバイは世界有数の観光都市であると同時に、高級車やスーパーカーが日常的に走る都市として世界的に知られています。そのため警察車両にスーパーカーを導入すること自体が大きなPR効果を持ち、観光客とのコミュニケーションやイベントへの展示など、通常の警察車両とは異なる役割も担います。
実際、今回の812についても観光エリアでの活動が報じられており、単純に「345km/hで逃走車を追跡するためのパトカー」と考えるより、ドバイという都市のイメージを発信するショーケースとして捉えたほうが実態に近そうです。
フェラーリやランボルギーニといった世界的なスーパーカーに警察のカラーリングを施せば、それだけで世界中のメディアやSNSから注目を集めます。広告換算すれば非常に大きな価値を生み出す可能性があり、ドバイ警察のスーパーカー戦略が長年続いている理由のひとつとも考えられます。
「世界最速クラスのパトカー」がまた1台増えた
フェラーリ812 Superfastだけでも十分に特別ですが、そこへMANSORYのカスタマイズとドバイ警察のカラーリングが組み合わされたことで、今回の車両は世界でも類を見ない存在になりました。
大型リアウイングやカーボンパーツによって迫力を増したスタイリング、6.5L自然吸気V12、そして最高速度345km/hという性能は、一般的な警察車両という言葉から想像する世界とは完全に別物です。
一方で、こうした車両の本当の価値は最高速度そのものではなく、街中を走るだけで人々の視線を集め、ドバイという都市を世界へ発信できる点にあるのかもしれません。
すでに数々のスーパーカーを所有するドバイ警察ですが、そこへMANSORY仕様のフェラーリ812 Superfastまで加わったことで、その「スーパーカー警察」のイメージはさらに強烈なものになりました。
次にどんな車両が警察仕様として登場するのか、もはや新型スーパーカーの発表とは別の意味で楽しみな存在になりつつあります。
参考・出典:Carscoops / Gulf News




