MINIカントリーマンが本気のオフロード仕様に。「Untamed Edition」登場、15mmリフトアップ&専用オールテレーンタイヤ採用

MINIは、ブランド最大のクロスオーバーSUV「Countryman(カントリーマン)」に、アウトドア性能を大幅に高めた新たな特別仕様「Untamed Edition(アンテイムド・エディション)」を発表しました。

「Untamed」は直訳すると「飼い慣らされていない」「野性的な」という意味。その名前が示す通り、今回のモデルは単にアウトドア風の装飾を追加しただけではなく、最低地上高の拡大や専用オールテレーンタイヤ、シャシー制御の変更まで行われており、これまでのMINIとは少し異なる方向からカントリーマンの可能性を広げています。

生産は2026年11月にBMWグループのライプツィヒ工場で開始され、世界市場への投入は2027年初頭を予定しています。

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「Countryman」の名前をさらに体現するMINI

MINIと聞いて多くの人が思い浮かべるのは、小さなボディとゴーカートのような軽快なハンドリングでしょう。

しかし現在のカントリーマンは、MINIのラインアップにおけるSUVとして、都市部だけでなく長距離移動やアウトドアまでカバーする存在へと成長しています。

Untamed Editionは、そんなカントリーマンが持つ「Country=郊外・田舎」というキャラクターを、さらに強く押し出したモデルともいえます。

特徴的なのは、見た目だけをSUVらしく仕立てるのではなく、実際に舗装路を離れることを想定した装備が与えられていることです。

15mmリフトアップ+専用ピレリタイヤ

Untamed Editionでは、一部市場向けモデルに専用サスペンションを採用し、車高を15mmリフトアップしています。

さらに専用設計された19インチホイールには、Pirelli Scorpion All Terrain Plusを組み合わせました。

通常のロードタイヤと比較して未舗装路でのトラクション確保を重視したタイヤであり、単なるドレスアップ仕様とは明確に方向性が異なります。

タイヤとサスペンションの変更に合わせ、ABSやDSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)、ステアリング制御についても専用セッティングが施されており、ALL4四輪駆動システムと組み合わせることで、キャンプ場へ向かう林道や砂利道などで従来以上の走破性を発揮します。

もちろん、ランドローバー・ディフェンダーやジープ・ラングラーのような本格クロカンを目指したモデルではありません。

それでも、アウトドア風の外装パーツを装着しただけではなく、足回りやタイヤ、電子制御まで変更したところには、MINIの本気度が感じられます。

ボディには傷を防ぐプロテクションも

悪路を走れば、小石や枝によるボディへの傷は避けにくくなります。

そこでUntamed Editionでは、ホイールアーチ、サイドシル、ボンネットにテクスチャー加工されたマットブラックの保護フィルムを採用。フロントとリアのアンダーボディプロテクションも専用デザインとなり、機能性と視覚的なタフさを両立させています。

フロントグリルも変更され、縦方向を強調した新しいデザインを採用しました。

グリル周辺やMINIエンブレム、Countrymanロゴなどには専用色「Dark Steel」が使われ、通常モデルの都会的な雰囲気とは異なる、道具感のあるスタイルに仕上げられています。

ボディカラーにはHideaway GreyやNomad Blueが設定されるほか、「Frozen Nomad Blue」は量産MINIとして初めて採用されるマット仕上げとなります。

ルーフの上でそのままキャンプもできる

Untamed Editionのコンセプトを象徴する装備が、イタリアのAUTOHOMEと共同開発した専用ルーフテントです。

ルーフの耐荷重は走行中で最大165ポンド(約75kg)、停車時には最大661ポンド(約300kg)まで対応するため、車の上にテントを展開して2人で宿泊するといった使い方も想定されています。

さらに米国仕様ではトレーラーヒッチが標準装備され、最大3,500ポンド(約1,588kg)の牽引能力も確保されています。

キャンプ用品メーカーHELINOXとのコラボレーションによるアウトドア用品も用意されるなど、MINIはUntamed Editionを単なる車両の特別仕様ではなく、アウトドアライフ全体を提案するモデルとして展開しようとしています。

インテリアもUntamed専用デザイン

室内にも通常のカントリーマンとの差別化が施されています。

専用のVescin Nightshade Blueスポーツシートには、岩肌から着想を得たデザインが取り入れられ、Cornflower BlueのステッチやUntamedロゴを配置。ダッシュボードやドア部分にもグレーとブルーを組み合わせたニット素材が採用されています。

センターコンソールの収納スペースも再設計され、アウトドア用バックパックを思わせるエラスティックストラップを採用しました。

さらにラバーフロアマットやラゲッジマットも装備されるため、泥の付いた靴やキャンプ用品を積み込むような場面でも扱いやすくなっています。

ガソリンからEVまで幅広く展開

Untamed Editionは市場によって設定されるパワートレインが異なり、Countryman C、Countryman D、Countryman S ALL4に加え、EVのCountryman EおよびCountryman SE ALL4にも展開されます。

米国では「Countryman S ALL4 Untamed Edition」とEVの「Countryman SE ALL4 Untamed Edition」が販売されます。

ガソリン仕様のS ALL4は2.0リッター直列4気筒ターボを搭載し、最高出力241hp(約244PS)を発生。一方、SE ALL4は前後2基のモーターによる電動四輪駆動で、最高出力308hp(約312PS)を発生します。

項目Countryman S ALL4 UntamedCountryman SE ALL4 Untamed
パワートレイン2.0L 直4ターボデュアルモーターEV
駆動方式ALL4 AWDALL4 AWD
最高出力約244PS約312PS
ホイール専用19インチ専用19インチ
タイヤPirelli Scorpion All Terrain PlusPirelli Scorpion All Terrain Plus
リフトアップ15mm15mm(市場により異なる)
米国価格43,900ドル〜後日発表

米国でのCountryman S ALL4 Untamed Editionの価格は43,900ドルからで、1,350ドルのデスティネーションチャージを含めると45,250ドルとなります。

Untamed Edition専用装備自体は1,600ドル相当とされており、タイヤやサスペンション、専用内外装まで含まれることを考えると、比較的現実的な価格設定といえそうです。

MINIが狙う「アドベンチャーSUV」という新しい市場

近年のSUV市場では、本格的なクロスカントリー性能までは必要としないものの、キャンプやスキー、林道などへ気軽に入っていける「ライトオフロード」仕様の人気が高まっています。

スバルのWilderness、ホンダのTrailSport、トヨタのWoodlandなどが代表的ですが、MINIもUntamed Editionによって、この市場へ本格的に足を踏み入れることになります。

興味深いのは、MINIがカントリーマンのキャラクターを大きく変えるのではなく、もともと備えていた実用性やALL4四輪駆動を土台として、タイヤ、最低地上高、ボディ保護、アウトドア装備を追加したことです。

そのため、極端な悪路走破性を求める人には向かない一方、普段は街中で使いながら、週末にはキャンプや雪山へ出掛けたいというユーザーにとっては非常に合理的なパッケージでしょう。

「MINIなのにオフロード」という意外性もありますが、現在のカントリーマンのサイズとキャラクターを考えれば、むしろ相性の良い方向性なのかもしれません。

小さく軽快なMINIという伝統的なイメージから一歩離れ、行動範囲そのものを広げるMINIへ。Untamed Editionは、現在のカントリーマンだからこそ成立する、新しいMINIの姿を示した一台といえそうです。

参考・出典:Autoblog / MINI・BMW Group / Car and Driver / Road & Track

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この記事を書いた人

メルセデス・ベンツ正規ディーラーを中心に、自動車業界で10年以上の経験を持つ筆者。販売現場で培った経験をもとに、高級車・新型車を中心とした自動車情報を独自の視点で発信しています。

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