メルセデス・ベンツのコンパクトSUV「GLA」が、3代目へとフルモデルチェンジを果たしました。2026年7月に世界初公開された新型GLAは、10月のパリモーターショーで実車が披露され、従来モデルから大きく進化したエクステリアやインテリアが改めて注目を集めています。
新型GLAは、メルセデス・ベンツの新世代プラットフォームを採用し、電気自動車(EV)とハイブリッドの両方を展開するモデルです。最大349馬力に相当する高性能EV、最大657kmの航続距離、そして3枚のディスプレイを組み合わせた先進的なインテリアなど、上級モデルに迫る装備が与えられています。
日本市場への導入時期は正式発表されていませんが、2027年秋頃の発売が有力です。
フロントデザインを一新、光るグリルとスリーポインテッドスターを採用

新型GLAのエクステリアで特に印象的なのが、フロントフェイスの大幅な変更です。
新世代のメルセデス・ベンツGLCやCLAと共通するデザイン言語が取り入れられ、存在感のあるフロントグリルと、スリーポインテッドスターをモチーフにしたヘッドライトが採用されました。
イルミネーテッドグリルも用意され、夜間にはメルセデス・ベンツらしい華やかな表情を演出します。
ボディ全体では、従来モデルよりもホイールベースが延長され、トレッドも拡大されました。一方で、全高を抑えた流麗なシルエットによって、SUVとしての実用性を維持しながら、スポーティな印象を強めています。
リアデザインも大きく変更されており、左右のテールランプにはスリーポインテッドスターをイメージした発光グラフィックを採用。さらに、車幅いっぱいに伸びるライトバーによって、従来のGLAとは異なる先進的な後ろ姿に仕上げられました。
こうした変更は、単なるデザインの刷新にとどまりません。メルセデス・ベンツが今後のコンパクトモデルにも上級車種と共通するブランドイメージを与えようとしていることがうかがえます。
新型GLAはボディを大型化、後席の居住性も改善

新型GLAでは、エクステリアの進化とともに室内空間の拡大も図られています。
新世代のMMA(Mercedes-Benz Modular Architecture)プラットフォームを採用したことで、従来モデルよりもホイールベースが約61mm延長され、全長も約152mm拡大しました。
これによって、前席の足元空間は約8mm、後席では最大約38mm広くなり、前後席ともに頭上空間も改善されています。
従来のGLAは、コンパクトで取り回しやすい一方、後席や荷室の広さについては上級モデルのGLBやGLCとの差が明確でした。しかし、新型では日常の使い勝手を重視した改良が進められており、ファミリーカーとしての魅力も高まっています。
また、EVモデルにはフロント部分に荷物を収納できるフランクを設け、後席には40:20:40の分割可倒機構を採用しました。
コンパクトSUVでありながら、普段の買い物から家族での旅行まで対応できる実用性を備えている点も、新型GLAの重要な進化といえるでしょう。
インテリアには最大3画面のMBUXスーパースクリーンを採用

室内で最も大きな変更点となるのが、ダッシュボード全体に広がるデジタルディスプレイです。
新型GLAには、オプションとして「MBUXスーパースクリーン」が設定され、運転席から助手席までを一体感のあるデジタル空間に仕上げています。
ディスプレイの構成は以下のとおりです。
| ディスプレイ | サイズ |
|---|---|
| 運転席メーターディスプレイ | 10.25インチ |
| センターディスプレイ | 14.0インチ |
| 助手席ディスプレイ | 14.0インチ |
さらに、生成AIを活用したMBUXバーチャルアシスタントにも対応しており、従来以上に自然な会話を通じて車両機能や各種情報へアクセスできるようになっています。
物理スイッチは従来より削減されていますが、ステアリングには音量調整用のローラーや運転支援機能を操作するスイッチが設けられ、操作性にも配慮されています。
また、パノラミックルーフを標準装備し、仕様によってはガラスの透過率を変更できる機能や、172個の星を演出するイルミネーションも選択可能です。
かつてはSクラスなどの上級モデルで注目されていた先進装備が、コンパクトSUVのGLAにも広がっていることは、メルセデス・ベンツの新世代モデルを象徴する変化といえます。
EVモデルは最大349馬力、航続距離は657km

新型GLAのEVモデルには、後輪駆動の「GLA 250+ Electric」と、四輪駆動の「GLA 350 4MATIC Electric」が設定されています。
| 項目 | GLA 250+ Electric | GLA 350 4MATIC Electric |
|---|---|---|
| 駆動方式 | 後輪駆動 | 四輪駆動 |
| 最高出力 | 約272PS | 約354PS |
| バッテリー容量(使用可能) | 85kWh | 85kWh |
| 0-96.6km/h加速 | 未公表 | 5.3秒 |
| 航続距離 | 最大657km(WLTP) | 仕様により異なる |
| 最大急速充電出力 | 320kW | 320kW |
| 電気システム | 800V | 800V |
※最高出力は米国公表値のhpをPSに換算した参考値です。航続距離は欧州WLTP基準であり、日本仕様の数値とは異なる可能性があります。
特に注目したいのが、800Vの高電圧システムを採用していることです。対応する急速充電設備では最大320kWの充電が可能で、理想的な条件下では約10分間で最大270km分の航続距離を回復できるとされています。
これは充電時間に対する不安を軽減するうえで重要な進化ですが、日本国内では充電設備の出力や規格によって実際の性能が制限されるため、国内導入時の仕様にも注目が集まります。
また、GLA 350 4MATIC Electricは0-60mph(約96.6km/h)加速を5.3秒でこなすなど、日常的な扱いやすさに加えて、スポーティな走行性能も備えています。
1.5リッターターボの新世代ハイブリッドも設定

新型GLAはEV専用モデルではなく、内燃機関を搭載したハイブリッドモデルもラインアップされます。
ハイブリッド仕様には、新開発の1.5リッター直列4気筒ターボエンジンと48V電動システムを組み合わせたパワートレインを採用。電気モーターは新開発の8速デュアルクラッチトランスミッションに組み込まれ、エンジンを補助するだけでなく、条件によっては電力のみでの走行にも対応します。
電気モーターの出力は22kW(約30PS)で、容量最大1.3kWhのリチウムイオンバッテリーが組み合わされます。
欧州市場では2027年初頭からハイブリッド仕様の展開が予定されており、前輪駆動と四輪駆動が用意される見込みです。
EVへの移行が進む一方で、充電環境や長距離移動への不安からエンジン搭載車を希望するユーザーも少なくありません。新型GLAが両方のパワートレインを設定する背景には、こうした幅広い需要に対応する狙いがあると考えられます。
日本発売は2027年秋頃か、国内導入モデルにも注目
新型GLAの日本発売時期については、2026年10月現在、メルセデス・ベンツ日本から正式な発表はありません。
欧州では2026年7月末から新型GLAの受注が始まっており、米国では2027年後半からディーラーへの導入が予定されています。
こうした海外市場での展開や、日本向けの仕様設定、認証などに必要な期間を考慮すると、日本では2027年秋頃に発売される可能性が考えられます。
ただし、これは海外での販売計画をもとにした予測であり、メーカーが日本導入時期を確約したものではありません。
国内市場では、従来のGLAが比較的コンパクトな輸入SUVとして人気を集めてきただけに、新型でも取り回しのよさとプレミアム感を両立できるかが重要になります。
また、日本仕様にEVとハイブリッドの両方が導入されるのか、あるいはハイブリッドが中心となるのかによっても、販売戦略は大きく変わってくるでしょう。
欧州価格は約850万円から、日本仕様の価格はどうなる?
新型GLAの欧州における発表時の価格は、ドイツで48,599.60ユーロからとなっています。
仮に1ユーロ=175円で換算すると、約850万円に相当します。ただし、これはドイツでの税込価格を単純換算したもので、日本国内での販売価格を示すものではありません。
日本では為替相場に加え、導入されるグレードや標準装備、輸送費、販売戦略などによって価格が決定されるため、現時点で正確な価格を予測することは困難です。
一方、新型GLAではボディの大型化や先進装備の充実、電動化技術の採用が進んでいることから、従来モデルよりも価格が上昇する可能性があります。
日本市場でどのような価格帯に設定されるのかは、今後の正式発表を待ちたいところです。
まとめ:新型GLAはコンパクトSUVの枠を超える進化を遂げた
3代目となる新型メルセデス・ベンツGLAは、デザインの刷新だけでなく、室内空間、デジタル技術、パワートレインのすべてを大きく進化させました。
最大657kmの航続距離を実現するEV、扱いやすさを重視した新世代ハイブリッド、そして上級モデルに匹敵するMBUXスーパースクリーンなど、従来のエントリーSUVという位置付けを超えた商品力を備えています。
特に日本市場では、従来モデルから拡大されたボディサイズが使い勝手にどのような影響を与えるのか、そしてEVとハイブリッドのどちらが主力となるのかが注目されます。
日本発売は2027年秋頃になる可能性がありますが、正式な導入時期や価格、グレード構成については今後の発表を待つ必要があります。
メルセデス・ベンツの新世代コンパクトSUVが、日本の輸入車市場にどのような変化をもたらすのか、引き続き注目したいモデルです。
参考・出典:Autoblog / Mercedes-Benz Media / Car and Driver




