このスーパーカー、何者だ? 普通のガレージから生まれた謎のV10マシン「DeSimone ZC-10」の正体

世界にはフェラーリやランボルギーニ、ブガッティといった名門ブランドが存在しますが、スーパーカーの世界を面白くしているのは、必ずしも巨額の開発費を投じる大メーカーだけではありません。

今回紹介する「DeSimone ZC-10 Azzurro(デシモーネ ZC-10 アズーロ)」は、そんな常識を覆すような存在です。

鮮やかなブルーのボディに、地面を這うような低いシルエット。初めて目にした人が「一体どこのメーカーの車なのか」と首をかしげるのも無理はありませんが、さらに驚かされるのは、この車が個人によるハンドメイドのプロジェクトとして知られていることです。

しかも、搭載エンジンは5.0LのV型10気筒とされ、最高出力は507bhp(約514PS)。その正体を追っていくと、スーパーカーという存在の魅力が、必ずしもブランドの知名度や販売価格だけでは決まらないことに気付かされます。

目次

フェラーリでもランボルギーニでもない、謎のスーパーカー

DeSimone ZC-10 Azzurroの最大の特徴は、既存のスーパーカーに似ているようで、どの車とも一致しない独特のデザインにあります。

フロントからリアまで流れる低いボディラインに加え、大きく張り出したフェンダーや長いリアセクションは、かつての耐久レーシングカーを連想させるものです。一方、曲線を多用したボディパネルや丸型テールランプには現代のハイパーカーにも通じる雰囲気があり、クラシックとモダンが混在した独特の存在感を放っています。

特に興味深いのは、完成された大手メーカーのデザインとは異なり、製作者自身の好みや理想が色濃く反映されているように見える点でしょう。

マセラティMC12やフォードGTを連想する人もいれば、パガーニのようなエキゾチックな造形を感じる人もいるかもしれません。しかし、そうした既存の車種との類似性だけでは説明できない個性こそが、この車を印象深い存在にしています。

普通のガレージから生まれた? 驚きの製作背景

この車が注目を集める理由は、外観の奇抜さだけではありません。

海外の自動車コミュニティでは、DeSimone ZC-10 Azzurroについて、個人製作によるハンドメイドのコンセプトカーだと紹介されています。さらに、製作者のInstagramには一般的なガレージで製作が進められる様子が公開されているとの証言もあり、巨大な自動車工場とは対照的な誕生の背景が話題になりました。

もちろん、こうした情報は現時点で製作者本人の詳細な公式資料と照合できているわけではなく、開発期間や製作費、製作に関わった人数なども明らかになっていません。

それでも、個人の情熱から生まれたスーパーカーというストーリーには、量産メーカーの新型車発表とは違った魅力があります。

自分が理想とするスタイリングを描き、エンジンや車体の構成を考え、それを実際に走る車へと仕上げる。もし報告されている製作背景が事実であれば、DeSimone ZC-10は自動車好きが抱く究極の夢を形にした一台といえるでしょう。

5.0L V10エンジン搭載、約514PSという本格的な性能

DeSimone ZC-10 Azzurroは、珍しい外観だけを追求したショーカーではないようです。

希少なスーパーカーを紹介する「Obscure Supercars」では、2025年モデルとして5.0L V10エンジンを搭載し、最高出力507bhp(約514PS)を発生すると紹介されています。

また、海外コミュニティではBMWのS85型V10エンジンとマニュアルトランスミッションを組み合わせたミッドシップ車であるとの情報も見られます。ただし、こちらは公式な技術資料で裏付けられたものではないため、現段階では参考情報として捉える必要があります。

DeSimone ZC-10 Azzurroの主要スペック

項目内容
車名DeSimone ZC-10 Azzurro
紹介年式2025年
エンジン5.0L V型10気筒
最高出力507bhp(約514PS)
エンジン形式BMW S85型との情報あり・未確認
エンジン配置ミッドシップとみられる
トランスミッションMTとの情報あり・未確認
最高速度非公表・未確認
0-100km/h加速非公表・未確認
車両価格非公表・未確認
生産台数未確認

もしBMW S85型エンジンを採用しているのであれば、その選択も非常に興味深いものです。

S85は、かつてBMW M5(E60)やM6(E63/E64)に搭載された自然吸気V10エンジンであり、高回転域まで吹け上がる独特のフィーリングとサウンドによって、現在でも根強い人気を誇っています。

そのエンジンを軽量なミッドシップ車に搭載するという発想は、パワーの数字以上に、運転する楽しさや機械としての魅力を重視したものと考えられます。

ネット上では「これは何の車?」と話題に

DeSimone ZC-10 Azzurroの知名度を象徴するのが、海外の掲示板Redditで起きた車種特定のやり取りです。

2026年5月には、この車の写真を見たユーザーが正体を尋ねる投稿を行い、DeSimoneが手掛けたハンドメイドのZC-10 Azzurroだという回答が寄せられました。

さらに同年8月にも、別のユーザーが車種の特定を求めたところ、複数の候補が挙げられた末にDeSimone ZC-10 Azzurroという名称にたどり着いています。

興味深いのは、その過程でTVRやゼンヴォ、デ・トマソなど、さまざまなメーカーの名前が登場したことです。

また、ボディパネルの隙間や仕上げについて厳しい意見が寄せられる一方、独特のデザインや手作りという背景を評価する声もありました。

これは、少量生産のハンドメイドカーが持つ難しさと魅力を同時に表しているのかもしれません。

大手メーカーの量産車と同じ品質基準で評価すれば、完成度に疑問が残る部分もあるでしょう。しかし、製作者の理想を優先して生み出された車には、工業製品としての均一な完成度とは異なる価値も存在します。

なぜ今、こうしたスーパーカーが面白いのか

現在のスーパーカー市場では、電動化やハイブリッド化が進む一方、最高出力1,000PSを超えるモデルも珍しくなくなりました。

そうした時代にあって、約514PSというDeSimone ZC-10の出力は、数字だけを見れば決して突出したものではありません。

しかし、仮に自然吸気V10エンジンとマニュアルトランスミッションという構成が事実ならば、この車の価値は最高出力の競争とは別の場所にあります。

エンジンの回転上昇を音と振動で感じ、自分の手でギアを選びながら車を操る。そうした運転体験を重視する姿勢は、自動車の電動化が進む現代だからこそ、より魅力的に映るのではないでしょうか。

そして何より、個人が自分の理想を追い求め、実際にスーパーカーを形にしようとする挑戦そのものに、大きな意味があるように思います。

DeSimone ZC-10は販売されるのか?

気になるのは、この車を実際に購入できるのかという点です。

しかし、現時点では一般向けの販売価格や受注体制、生産予定台数などを確認できておらず、量産車として販売される計画が存在するのかも明らかになっていません。

そのため、現段階では市販スーパーカーというよりも、個人製作によるコンセプトカー、あるいはワンオフのカスタムプロジェクトとして捉えるのが適切でしょう。

もっとも、こうした車の魅力は、必ずしも購入できることだけにあるわけではありません。

誰もが知るブランドのエンブレムがなくても、人々が足を止め、写真を撮り、その正体を知りたくなる。DeSimone ZC-10 Azzurroは、そんなスーパーカーの本質的な魅力を思い出させてくれる存在です。

今後、製作者から詳細な技術情報や開発ストーリーが公開されれば、さらに注目を集める可能性もあるでしょう。

参考・出典: Obscure Supercars / Reddit r/whatisthiscar

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この記事を書いた人

メルセデス・ベンツ正規ディーラーを中心に、自動車業界で10年以上の経験を持つ筆者。販売現場で培った経験をもとに、高級車・新型車を中心とした自動車情報を独自の視点で発信しています。

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