韓国の高級車ブランドGenesis(ジェネシス)が披露してきた数々のコンセプトカーの中でも、ひときわ市販化を望む声が大きかった「X Gran Convertible」が、ついにショーカーの枠を超える可能性が出てきました。
海外メディアAutoblogなどが報じた情報によると、ジェネシスはX Gran Convertibleをベースとしたグランドツアラーを今後2年以内に市販化する可能性があり、その最高出力は約650PS級に達するとされています。
ただし、現時点でジェネシスから市販化や最高出力について正式発表が行われたわけではありません。一方で、米国ではX Gran Convertibleと兄弟車「X Gran Coupe」のデザイン特許がすでに取得されており、単なるデザインスタディでは終わらないことを期待させる材料が少しずつ揃い始めています。
G90から生まれた、ジェネシス最高峰のグランドツアラー

X Gran ConvertibleとX Gran Coupeは、2025年のソウルモビリティショーで世界初公開されたコンセプトモデルです。
両車は完全なゼロベースのスポーツカーではなく、ジェネシスのフラッグシップセダン「G90」を再解釈したモデルとして開発されており、長いボンネットと低く構えたボディ、ジェネシスを象徴するTwo-Lineライトなどを組み合わせることで、非常に優雅なグランドツアラーへと仕立てられています。
特にX Gran Convertibleは、単純にX Gran Coupeのルーフを取り払っただけではなく、オープンモデルならではの伸びやかなプロポーションを持ち、現在のジェネシスが目指しているラグジュアリーの方向性を強く表現した一台です。
そして今回の情報が事実であれば、この美しいスタイリングがほぼそのまま市販車として道路を走る可能性が出てきたことになります。
最高出力は約650PS? G90由来のFRプラットフォームを採用か

今回特に注目されているのが、パワートレインに関する情報です。
報道では、市販型X Gran Convertibleは最高出力650PS前後を目標としているとされ、さらにG90をベースとした後輪駆動プラットフォームの発展型を採用する可能性が伝えられています。
現行G90の北米仕様では、3.5リッターV6ツインターボエンジンに48V電動スーパーチャージャーを組み合わせた仕様が用意されていますが、X Gran Convertibleではさらに大幅な高性能化が必要になります。
そのため、既存のV6ツインターボを大幅に強化するのか、あるいはハイブリッドシステムを組み合わせて650PS級へ到達させるのかは現時点では不明です。
| 項目 | 現時点で報じられている内容 |
|---|---|
| モデル | Genesis X Gran Convertible 市販型 |
| ボディ | 2ドア・コンバーチブル |
| プラットフォーム | G90由来のFR系と報道 |
| 最高出力 | 約650PS級と報道 |
| パワートレイン | 内燃機関またはハイブリッドの可能性 |
| 駆動方式 | FR系プラットフォームがベースと報道 |
| 市販時期 | 今後2年以内の可能性 |
| 兄弟車 | X Gran Coupe |
| 正式発表 | 現時点ではなし |
ここで興味深いのは、X Gran Convertibleが必ずしもEVとして登場するとは限らないことです。
近年の高級コンセプトカーではEVを前提とするケースが増えていますが、特許図面などではエキゾーストを思わせるディテールも確認されており、今回の報道でも内燃機関を軸としたパワートレインが有力視されています。
もし650PS級のエンジン、あるいは高性能ハイブリッドを搭載して登場するのであれば、ジェネシスにとってブランドイメージを大きく引き上げる一台になるでしょう。
米国でデザイン特許を取得、市販化への期待が一気に高まる

X Gran Convertibleの市販化説を後押ししているもう一つの材料が、米国で取得されたデザイン特許です。
米国特許商標庁では2026年8月、X Gran ConvertibleとX Gran Coupeのデザイン特許が相次いで認められました。
もちろん、デザイン特許を取得したからといって市販化が決定したことにはなりません。自動車メーカーが将来的なデザインの保護を目的として、市販予定のないコンセプトカーについて特許を取得することもあります。
それでも今回興味深いのは、CoupeとConvertibleがセットで保護されていることに加え、そのデザインが極端なショーカーではなく、比較的市販車へ落とし込みやすい構成になっている点です。
つまり「特許を取得したから市販される」のではなく、これまでのジェネシス側の動きと今回の市販化情報が重なったことで、現実味がさらに増してきたと見るのが適切でしょう。
ベントレーやアストンマーティンに挑む存在になるのか
もしX Gran Convertibleが650PS級の高性能グランドツアラーとして登場するのであれば、その立ち位置はかなり興味深いものになります。
ジェネシスが狙うのは単なる高性能オープンカーではなく、圧倒的な快適性と豪華さを備えながら、長距離を高速で移動できる本格的なラグジュアリーGTでしょう。
そう考えると、Bentley Continental GTCやAston Martin DB12 Volanteなど、欧州の伝統的な高級グランドツアラーと重なる領域へ踏み込むことになります。
ジェネシスはこれまでG80やG90、GV80などを通じてプレミアムブランドとしての地位を築いてきましたが、ブランドの象徴となる2ドアGTはまだ持っていません。
X Gran ConvertibleとX Gran Coupeが市販されれば、販売台数そのもの以上に「ジェネシスとはどのようなブランドなのか」を世界へ示す役割を担うことになるでしょう。
ジェネシスは「ラグジュアリー×高性能」を次の柱に
今回の動きは、ジェネシス全体の戦略を考えても不自然ではありません。
同ブランドはすでに「Luxury High Performance」を今後の重要な方向性として掲げ、高性能ブランド「Magma」を本格的に展開しています。
単に馬力を競うのではなく、ラグジュアリーカーとしての上質さと余裕のある高性能を融合させることがジェネシスの狙いであり、その思想を考えると、大排気量GTを思わせるX Gran Convertibleはブランドとの相性が非常に良いモデルです。
さらにCoupeとConvertibleの両方を用意できれば、実用的なセダンやSUVだけでは作りにくかった「憧れのブランド」というイメージも強化できます。
美しいコンセプトカーが、本当に道路へ出てくるかもしれない
X Gran Convertibleについて現時点で最も重要なのは、約650PSという数字以上に、このクルマの市販化が以前より現実的になってきたことではないでしょうか。
2025年のコンセプト公開、実走可能なショーカーの製作、米国でのデザイン特許取得、そして今回浮上した今後2年以内という市販化情報。それぞれを単独で見れば決定的な証拠ではありませんが、一連の流れとして見ると期待したくなる材料は確実に増えています。
一方で、ジェネシス自身は市販時期や650PS級のパワートレインを正式発表していないため、現段階ではあくまで報道ベースの情報として見る必要があります。
それでも、近年の自動車業界では大型2ドアGTそのものが少なくなりつつあるだけに、ジェネシスがあえてこのカテゴリーへ参入するのであれば非常に面白い存在になりそうです。
コンセプトカーの美しいプロポーションをどこまで維持できるのか、そして650PS級とされるパワートレインの正体は何なのか。X Gran Convertibleがジェネシスを象徴する新たなフラッグシップへ成長するのか、正式発表を待ちたいところです。
参考・出典:Autoblog / Genesis / Motor1

