BMWのコンパクトMモデル「M2」に、新たな選択肢が加わりました。
BMWジャパンは2026年10月1日、BMW M2のラインナップに4輪駆動モデルとなる「BMW M2 M xDrive」を追加し、同日より販売を開始しました。これまで後輪駆動ならではのダイレクトなドライビングフィールを大きな魅力としてきたM2ですが、新型M2 M xDriveではBMW Mが誇る高性能4輪駆動システムを採用することで、M2らしい走りの楽しさを残しながら、より強力なトラクションと加速性能を狙っています。
日本での車両価格は1083万円で、デリバリーは2026年10月中旬以降が予定されています。
M2に「M xDrive」という新たな選択肢

現行BMW M2は、コンパクトな2ドアクーペボディーに強力な直列6気筒エンジンを搭載する、BMW Mを象徴するスポーツモデルのひとつです。
今回追加されたM2 M xDriveで最大のポイントとなるのが、その名前にも表れている4輪駆動システム「M xDrive」の採用です。
M xDriveは単純に前後4輪へ駆動力を振り分けるシステムではなく、センサーによって走行状況を常時把握しながら、必要に応じて前後のトルク配分を変化させる仕組みとなっています。
さらに後輪には、左右のトルク差を電子制御式多板クラッチによってコントロールする「アクティブMディファレンシャル」を組み合わせており、エンジンのパワーを効率よく路面へ伝えると同時に、コーナリング時の俊敏な動きにもつなげています。
つまり今回のM2 M xDriveは、単に「滑りにくいM2」を目指したのではなく、480PSという大出力をより積極的に使えるM2へ進化したモデルと考えたほうがよさそうです。
3.0リッター直6ツインターボは最高出力480PS

搭載されるエンジンは、3.0リッター直列6気筒Mツインパワーターボエンジンです。
現行M2では2024年に実施された改良によって最高出力が480PSへ引き上げられており、ターボエンジンでありながら自然吸気エンジンを思わせるレスポンスと伸びやかなフィーリングを特徴としています。
BMW M2 M xDrive主要スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| エンジン | 3.0リッター直列6気筒Mツインパワーターボ |
| 最高出力 | 480PS |
| 駆動方式 | M xDrive(4WD) |
| トランスミッション | 8速AT |
| リアデフ | アクティブMディファレンシャル |
| ボディタイプ | 2ドアクーペ |
| 車両価格 | 1083万円 |
| 発売日 | 2026年10月1日 |
| デリバリー開始 | 2026年10月中旬以降予定 |
M2 M xDriveでは、この480PSをM xDriveによって4輪へ効率的に伝えられるため、とりわけ発進時や低速域から強く加速する場面では、後輪駆動モデルとは異なる強みを発揮すると考えられます。
一方で、現行M2の魅力でもある約50:50の前後重量配分を生かしたハンドリングをどこまで維持できているのかは、実際の走りで注目したいところです。
4WDになっても「FRらしい走り」を楽しめる

M2に4WDが採用されたと聞くと、「M2らしさが薄れてしまうのでは」と感じる人もいるかもしれません。
しかしM xDriveは、BMW Mの他モデルでも採用されているように、単純な安定性だけを重視した4WDシステムではありません。
M2 M xDriveについても、走行モードを切り替えることで後輪駆動車のようなドライビングを楽しめるとされており、普段は4輪のトラクションを生かしながら、状況に応じてFRスポーツらしい挙動を楽しめるという幅の広さが大きな特徴となります。
雨天時や高速道路、日常的なドライブではM xDriveによる安心感を得ながら、スポーツ走行ではM2本来の後輪駆動的なキャラクターを引き出すという使い分けができれば、これまで以上に万能なM2になる可能性があります。
ただし8速ATのみ、6速MTはFRモデルに残る
もうひとつ重要なのがトランスミッションです。
M2 M xDriveに組み合わされるのは8速ATのみで、現行M2に用意されている6速MTは設定されません。
そのため、「3.0リッター直6+6速MT+後輪駆動」という古典的ともいえるスポーツカーの組み合わせを求めるのであれば、引き続きFRのM2が魅力的な選択肢となります。
一方、480PSというパワーをより確実に路面へ伝え、天候や路面状況を問わず速さを引き出したいユーザーにとってはM2 M xDriveが有力な選択肢となり、結果としてFR+MTというピュアな方向性と、4WD+ATという高性能志向を選べるラインナップになったことは、M2にとって大きな意味を持ちそうです。
価格は1083万円、M2も1000万円超の領域へ
BMW M2 M xDriveの日本価格は1083万円です。
コンパクトなBMW MというM2本来の立ち位置を考えると、1000万円を超える価格には時代の変化を感じますが、一方で3.0リッター直6ターボから480PSを発生し、アクティブMディファレンシャルとM xDriveを組み合わせた本格的なMモデルであることを考えれば、その内容は上位モデルにも迫っています。
そして何より興味深いのは、M2という比較的コンパクトなボディーに強力な直6エンジンと高度な4WDシステムを詰め込んだことです。
これまでのM2が「コンパクトなボディーをFRで操る楽しさ」を前面に押し出したモデルだったとすれば、M2 M xDriveはそこへ圧倒的なトラクションという新しい武器を加えた存在といえるでしょう。
M2は「ピュアスポーツ」からさらに幅広い存在へ
M2へのM xDrive導入は、単なるグレード追加以上に興味深い動きです。
現在のハイパフォーマンスカーは出力が大幅に向上しており、そのパワーをいかに効率よく路面へ伝えるかが重要になっています。M2も480PSに達したことで、後輪駆動ならではの楽しさを残しつつ、4輪駆動によってより安定して性能を引き出せるモデルを用意することには十分な意味があります。
その一方で、FR+6速MTのM2も引き続き存在するため、BMWはM2の伝統的な魅力を捨てたわけではありません。
FR+MTでクルマを操る楽しさを追求するのか、それともM xDrive+8速ATで480PSを余すことなく路面へ伝えるのか。
同じM2でありながら性格の異なる2つの方向性を選べるようになったことこそ、今回のM2 M xDrive登場における最大のポイントなのかもしれません。
参考・出典:BMW




